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名前 霊夢(れいむ) 愛称 特に無し 性別 男 年齢 10代? 誕生日 5月23日 血液型 O型 性格 ウザいキャラを煽る。煽られたら開き直る。淫夢民。 出身 北海道(シンオウ地方ハクタイシティ) 趣味 ネットサーフィン、ゲーム 好きな食べ物 カレーライス 嫌いな食べ物 セロリとか臭いが強いもの 身長 170cm 体重 65kg Twitter https //mobile.twitter.com/reimu_russia <一言> みんな、荒らさないでねw 当wikiの管理人。 2010年頃に一時期出没した。その時のハンドルネームは紛失している。 2014年に森ガイ共産党を設立したが、ただのハリボテであった。 2016年の春に旧wikiの管理人代理となるが、荒しの出没により10月2日より当wikiに移転させる。 ハンドルネームの由来は、ただ単に東方が好きだからという理由だが、今となっては「何でキャラ名にしたんだろ・・・」と色々考えている。 2017年1月11日 殉職 最終執筆者 霊夢
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山内狼幻想郷の 博麗 霊夢 黒髪に大きな赤いリボン、顔の両脇に髪を一総まとめて赤い髪飾りを付けている。髪の長さは作品によってまちまちだが、後の作品になるほど長くなっているようにも見える。この作品では、一応だが長い黒髪「ロングテール」の女性巫女という意識は、高い。 博麗神社32代目神主 博麗 景元の娘にあたる。 霧雨 魔理沙とは、ライバルで親友同士という意識が根強い。また 強敵、ゼクロスを倒した後、言ったセリフが 「私は、博麗 霊夢。運命や自主には、逆らえない。霊気を持つ者」と語っている。息子の博麗 零士曰く。「家の神社は、ご先祖様がこの神社の祖神だと言われているほど。アサシンは、四人で倒したがほどなく人里の人間と結婚している。 能力は、「空を飛べる程度の能力を持つ。」人間族で初めて能力を持った女子が博麗 神社で産まれた。それが霊夢。魔理沙の方が年上なのだが魔理沙は、元々、商人だったのであしからず。 よく使う従来のスペルカード 物語の中で使う従来のスペルカードは、👇 霊符「夢想封印」 霊符「夢想封印 散」 霊符「夢想封印 集」 夢符「二重結界」 神霊「夢想封印」 神技「八方鬼縛陣」 力符「陰陽玉将」 夢戦「幻想之月」 神霊「夢想封印 瞬」 霊符「陰陽印」 霊符「博麗幻影」 神技「天覇風神脚」 神技「八方龍殺陣」 霊符「夢想封印 夢限」 携行品スペルカード・ 武器など ホーミングアミュレット 拡散アミュレット 博麗アミュレット 陰陽弾 陰陽玉 など ゼクロス・ドラゴンにもう一度戦った 後に使うスペルカード 封府「霊夜叉嚴流幻」 封府「博麗大封印結界」 丞府「上竜巻の神」 祭府「下竜巻の神」 祭府「麗龍霊脚幻」 霊府「大夢想封印 敵無」 非携行品・武器など ハンターアミュレット 博麗ハンターアミュレットなど 多数登場する。 結局、過去との邂逅でほぼ終えた感じだった。中でも博麗大結界は、母親が使っていたスペルカードなのでとにかく結構、使える。 一応、小説で書いたので自機的存在では、ある。 なお、過去の邂逅編「281話から313話まで」で父親、景元と母親、霊子が魔物に殺されて幻想郷の人達を救う為、一時的な解決策として人里には、かなりの結界が敷かれていたりする。この事から博麗 神社の巫女となったりした。 FFやFEの職業で言うと赤巫女という薙刀や和弓を扱う巫女で戦闘に長けた巫女だ。早苗の緑巫女とは、違い、若干、平和的では、なくなっている。
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博麗霊夢さん 通常打撃 通常射撃 スキル スペル コンボ ここまで遊び ここからは本音 立ち回り
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博麗霊夢はくれいれいむ 名前 霊夢 タイプ 防御系 攻撃力 B 防御力 A 霊力 A 移動力 6 指揮修正 A スペルカード B 攻撃方法 名前 霊力 攻撃力 距離 相殺 コメント ホーミング弾 0 +0 近遠 × 基本攻撃 ニードルショット 2 +2 近 × 近距離技 陰陽弾 6 -5 近遠 ○ 射程2 ホーミング弾2 4 +0 近遠 × 攻撃回数多 全方位弾 6 +0 近 ○ 近距離のみだが超防御 封魔弾 10 +12 近遠 ○ 乱愚風1だと射程6※ 夢想天性 20 +7 近遠 ○ 自身無敵 ザコ 治癒妖精 歩兵系 戦闘妖精 歩兵系 防御妖精 防御系 弓矢妖精 遠距離系 カラス 飛空系 魔法 ヒール1 シールド1 アタック1 ヒール2 フォースヒール1 アタック2 コメント 乱愚風1の主人公。 すべてのステータスが高く、聖魔剣装備可能。霊力にもザコにも恵まれるが 強敵がほとんど歩兵系であり、ラスボスまでも歩兵系であるために 油断すると敵ボス特攻で即死する事が多い。 夢想天性は判定がとても強いが消費が高すぎるのが難点。 封魔弾は乱愚風1だと射程6だがアペンドすると射程1になる。
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基礎値 体力 820 移動 110 射角 15~80 基本ディレイ 530 弾1 判定 8 爆風 32 ダメージ 280 ディレイ 130 威力型の単発弾 公式霊夢よりも爆風は広いが威力は低下 弾2 判定 8 爆風 40 ダメージ 210 ディレイ 150 削岩型の単発弾 削岩はそこそこだが削岩系の中では威力が高め 弾3 判定 10 爆風 36 ダメージ 80 ディレイ 130 反射性能を備えた単発の陰陽球 2HITするが公式諏訪子の鉄の輪よりも性能が低下している 弾4 判定 80 爆風 0 ダメージ 0 ディレイ 40 壁を透過する弾を飛ばし停滞する 設置弾の範囲内のキャラは(敵味方問わず)移動値が50以下の時移動値が100回復する 効果は30ターン持続 スペルカード 霊夢 文本人が使用 スペル名 支援特技~射命丸文~ EXP 0/800 EXPゲージがマックスで、かつ自分が自由に動けるタイミングに勝手に発動する(EXPがマックスでターンを迎えたり、自分のターン中にS回復でEXPがマックスになった時など)。 一時的に文の力を借りるサポート技。3ターンのあいだ効果が続く。 効果中はEXPが溜まらないが 「MOVEの消費によるディレイ増加」無効(移動値残り9以下で弾を撃つと発生する「追加200ディレイ」も含めて完全にゼロになる) 「TIMEの経過によるディレイ増加」半減(パスした時は元々0なので効果無し) ただし時間切れの時や、発射しないタイプのアイテムには効果がない(L回復など)。 霊夢 文のスペルカードをコピーした公式さとりが使用 スペル名 神霊「夢想封印 天」 判定 5 爆風 28 ダメージ 0 ディレイ 230 夢想封印後に幻想風靡で追撃する合体技 しかし効果は幻想風靡と全く同じ性能 スペルカード(命中時) スペル名 神霊「夢想封印 天」 判定 17 爆風 27 ダメージ 330 ディレイ 200 着弾がHITすると着弾上部が削岩され真上に吹き飛ばしつつ落下中に追撃 使い勝手も変わらずシールドで防がれるが高火力 パワーアップアイテムを使用すると威力が100増す 総評: 近~中距離支援型近接タイプ 味方の移動値を増やし続ける支援弾を装備しているので開幕落下移動に貢献できる 火力は特化したものはないものの疾風扇が火力型の削岩武器で扱いやすい その分削岩に不安が残るが使いどころさえ間違えなければ反射陰陽玉が活躍する スペルカード発動中は即撃ち時は効果が薄いが、時間を掛けて撃つ場合やちょこちょこ歩いて調整する際に大幅にディレイを軽減出来る。 4/17修正 修正点 修正内容 特殊 残り移動値が一定以下で弾を撃った際の、ディレイ増加を削除
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霊夢14 初めてのチュウ 霊夢受編(10スレ目 87) 「こ、ここから落とされたくなかったら……私とキスしなさいっ!」 「は?」 青年の目の前には、紅と白を基調とした衣装に身を纏った少女が一人。 今、彼はあまりに理不尽すぎる脅迫を受けていた。 「ど、どうなの……?」 少女が やや どもりつつ、頬を紅く染めながら、目を吊りあげて強気に問う。 一方、青年はどう足掻こうとも言うことを聞かざるを得なかった。 何故ならば―――― 「……どう…って」 ――――青年と少女がいるそこは地上から100mも離れた空中であり、青年は飛べなかったから。 青年は今、空を飛ぶ不思議な巫女――――博麗 霊夢に手を引かれ、空中に連れて来てもらっているのだ。 (いきなり空中に連れ出されたと思ったら。ていうか、こんな脅迫しなくてもいいのになぁ……) 青年は霊夢の強引さに少々呆れながらも、その不器用さに心中で苦笑してしまう。 こんなところで可愛らしい脅迫をするのも、素直では無い不器用な愛情表現なのだろう。 そんな所も含め、青年は霊夢のことを―――― 「は、早く答えを出さないと――――」 霊夢がそう言うや否や、青年の手を掴んでいる 白い手に込められた力がわずかに緩む。 「……――――!?」 青年の表情が一瞬だけ凍りつき、背筋をぞっとしたものが包む。 次の瞬間、青年の声にならない叫びが周囲を包んだ。 必死で落とされまいと、青年は霊夢の手を強く握り返す。 それも仕方のないことだろう。 空を飛ぶ能力のない青年は、ここから落とされれば確実に死は免れないからだ。 「ど、どうなのよぉ……!?」 対し脅迫している霊夢のほうも既に一杯一杯だ。 なかなか答えようとしない青年に、その顔は先程よりも紅く染まっており、目の端には涙の塊が。 今ここで青年が断ろうものなら――――彼女は確実に、完全に泣き出してしまうだろう。 そして、傷心の彼女が青年を気遣う心の余地がなければ……彼は確実に落とされる。 何にしても、早く答えなければ霊夢に落とされると悟った瞬間、青年は半狂乱になりながら叫んだ。 「わ、わかった! する! するから手を離すな霊夢! そのまんま無事に下してくれお願いします!!」 「それでよし」 先程の泣き顔はどこへやら、酷く安堵した笑顔を顔に浮かべて、霊夢は青年の手を強く握り返した。 霊夢は普段から多少傍若無人なところはある―――そんな所も愛おしい―――とは青年は考えていた。 (や、ヤベェ……今のは目がややマジだった……) しかし、今は―――― いつか見た鬼や悪魔以上に、楽園に住む巫女が青年には恐ろしい存在に見えたような気がしていた。 ただ、そんなことをされてもなお、青年が抱く彼女への想いは微塵も揺らぎはしなかったが。 ほどなくして、博麗神社の縁側に降り立つ。 霊夢は期待に胸を高鳴らせており、一方 青年は命があることを心の底から神に感謝していた。 「ふー……」 青年は一息、大きく息をつくと―――― 「じゃあ、どうぞ……」 そう言って、霊夢の真向いに立った。 「え?」 「いや、別にキスは男からじゃなくてもいいだろう?」 男としてそれはどうか ということは置いておいて、青年は真顔で正論を述べる。 「え…ええ……」 相槌を打ちながらも、霊夢の心中は複雑であった。 (……してほしかったのに) 本当は、青年に優しく唇を奪って欲しかったのだが これ以上臍を曲げられても仕方ない、とも霊夢は考える。 そして、霊夢は青年にそろそろと歩み寄った。 歩み寄るたびに、霊夢の頬の紅潮はどんどん濃度を増し、彼女の胸の高鳴りは青年との距離が縮まるとともに その速度を速めてゆく。 「じゃあ、するね……?」 二人の距離はが約20cm程度の地点で、霊夢は青年を上目に見上げながらそう言った。 しかし、彼女の前に最初の難関が立ちはだかる。 それは―――― (と、届かない……!) ――――背の高さだ。 片や、十代半ばの少女。 片や、背の高いほうでは無いが、それでもそれなりに身長はある青年。 霊夢が爪先立ちをしても、彼女の唇は青年の顎までしか届かない。 霊夢がどう足掻いても、背の高さだけは今すぐにどうにかできるものでは無い。 だから、腰をかがめて欲しい、と霊夢は青年に頼もうとしたが―――― 「……っ!」 その前に、顔をニヤニヤ歪めている青年が霊夢の目に入る。 霊夢は青年のその表情に見覚えがあった。 それは、青年が霊夢に対し何か意地悪をする時の顔だったから。 さすがに これ以上青年の思惑どおりに嵌るのは癪だと、霊夢は考える。 「……そのままでもいいわよ」 「え?」 ふわっ…… 何の前触れもなく、霊夢の両脚が重力を無視して大地から離れる。 「……こうすれば、いいんだもの」 その場にふわふわ浮いた霊夢は、ようやく○○と文字通り肩を並べる高さになった。 けれども、霊夢は知らない。それすらも、青年の計算の内だということを。 「す、するわよ…」 「どうぞ」 ちゅっ…… 霊夢は目を閉じ、その少女らしい瑞々しい唇が、青年の唇に軽く触れる。 その途端、霊夢の顔がこれ以上ないほどに赤く染まるとともに、彼女はそのまま動かなくなった。 (やっぱり、キスするの初めてで何やっていいのかわかんないみたいだな……) 青年はそんな彼女を薄目を開けて見遣りつつ――――少し強くキスしてみるか――――と、心の中でほくそ笑んだ。 青年は、霊夢の上唇を自身の唇で軽く咥えながら優しく吸い上げる。 そして、吸い上げながら彼女の上唇を甘噛みした。 「んっ……!」 急に能動的に唇を求めだす青年にやや驚きつつも、霊夢も負けじと必死で応戦する しかし、経験がないために 霊夢の唇の動きはどこかぎこちない。 「ふ……ぁっ……」 上唇を優しく唇で咥えられつつ チロチロと舌先で上唇に舌を這わされた瞬間、霊夢の頭に電流が流れた。 とたんに――――すとん、と両脚が地面についてしまった。 二人の唇の間に銀色のアーチができて、間もなく消えた。 「……っ!」 もう一度、霊夢は宙に浮かびあがり、青年と唇を重ねる。 しかし―――― (ち、力が……) 青年と唇を重ねるまではいいのだが、青年が霊夢の唇を苛めだすと 霊夢の体中に甘い電気が流れてしまう。 その電流が霊夢の思考を麻痺させてしまい、そのために宙に浮かぶための集中力が途切れてしまうのだ。 青年も経験豊富というわけでは無いし、取り立ててキスが上手というわけでもなかった。 ただ、青年は紅魔館の図書館で上手なキスのやり方を調べただけ。 それでも知識も経験も無い霊夢を翻弄するには十分過ぎた。 3度目のキスを始める前に、霊夢は相も変わらず頬を赤く染めながら上目遣いに青年を見上げて―――― 「ねぇ……」 「ん?」 「や、やっぱり……して欲しいんだけれど…」 「ん~、だって飛べるんでしょ?」 青年はニヤニヤしながら霊夢に言った。 「い、意地悪っ……」 「意地悪なのはどっちだよ、逃げ場のない空中で人を脅迫しといてさ」 「ぅぅ……」 頬を赤く染めながら小さく呻き声を上げる霊夢があまりに愛らしいために、青年の心にかつてない危険な情欲が湧きあがってきた。 もう少しいじめてみるか……と、これ以上ない意地の悪い意思をその眼に孕ませて―――― 「さてと……終わったしお茶でも飲もうかな」 「え、ちょ、ちょっと待って!」 「ん? だって、もうキスしたじゃないか」 本当はもっともっと霊夢の唇を味わっていたい……そんな本心を隠しつつ、青年は霊夢に背を向け神社の方角へ歩きだした。 「……!?」 と、不意に背後から服が引っ張られ、その動きが引きとめられる。 振り返ると、霊夢が俯きながら青年の服を掴んでいた。 「いじ……な…でよ………」 「え……?」 霊夢は、俯きつつボソボソと何事かを呟いている。 青年は、その声をうまく聞きとれずに、些か間が抜けたような声を上げて聞き返した。 「……もう……いじめ…ないで…」 霊夢は、顔を上げながらそう言った。 既に羞恥とキスをやめられるという恐怖によって その眼の端に涙を貯めながらも、必死で青年に哀願している。 これ以上、青年が意地悪を続けると本気で泣き出しかねなかった。 「ふふ……」 青年も、事此処に至っては流石に これ以上焦らすのも可哀想と考えたのだろう。 その顔に、優しげな笑みを浮かべて霊夢の左斜め前に立った。 「えっ…?」 そして、有無を言わさずに右手を霊夢の膝の後ろに、左手を霊夢の左手に回して、軽々と抱えあげた。 「きゃ……!」 「………!」 抱き上げた身体があまりに軽いことに驚くものの、今は霊夢を安心させるのが先決と考えて神社の縁側に向かって歩き出した。 「ちょ、○○! どこに……」 青年は、驚き慌てる霊夢の質問には答えずに縁側に座り、霊夢を自分の膝の上に横座りに座らせた。 そして、霊夢の身体ができるだけ正面に来るように身体を傾けた。 「これで、背の高さ的にはちょうどいいかな?」 「あ……」 青年の膝の上に座っているために、やや霊夢のほうが頭が高くなってしまったが、それでもキスができないというほどの高低差はなかった。 「今度は俺からするけど、いい?」 「う、うん……」 「力が抜けても支えててあげるから大丈夫だよ」 霊夢の心の中を、これ以上ないほどの温かいものが包んでゆく。 ―――― この人はいつもそうだ、どんなに意地悪にしていても最後には私が望むものを優しく与えてくれる。 溢れ止めることができない想いを、霊夢は静かに青年に告げた。 「……大好き」 「俺もだ……」 二人は、互いの想いを確かめ合うかのようにしばし見つめあう。 そして、どちらからともなく互いの唇が近づいてゆく。 ちゅっ…… 啄ばむような柔らかな口づけを数回繰り返したあと、青年は霊夢の唇を少しずつ強く求めだす。 柔らかいけれども緊張で未だ堅さが抜けない霊夢の唇を、青年は優しく解きほぐしてゆく。 その情景をあえて形容するならば、青年が霊夢の唇を優しく食んでいるという言葉がぴったりくるだろう。 二人の感情が次第に次第に昂ぶってくる。 「ふぁ……んっ……」 既に霊夢の頭には霞がかかり、先程のキスとは比べ物にならない程の甘ったるい電流が彼女の頭を痺れさせていた。 霊夢の全身から力が抜けてゆくが、今回は青年の力強い腕が彼女の身体をしっかりと支えていた。 それだけで、霊夢の心は温かいもので一杯になっていった。 「ん……っ」 一方、青年は霊夢の口の中に舌をそっと滑らせた。 未だ引っ込み思案な霊夢のほんのわずかだけ絡めさせる。 そして、青年は霊夢の唇だけでなく舌をも解きほぐそうとした――――その時 「~~~~~!!」 どんっ!! 「うわっ」 突然、霊夢が青年を少し強めに突き飛ばした。 とたんに、二人が作っていた甘い雰囲気が一瞬で冷たいものになる。 「ご、ごめん! やりすぎ――――」 あまりに激しく求めたために拒絶されたのかと、青年の背を冷たいものが包み込んだ。 「ち、違うの、そうじゃなくて……」 霊夢の次の発言は、青年の予想の遥か斜め上を行くものであった。 「口が塞がってて……い、息が……」 その場で肩を上下させながら、荒く息をつく霊夢を青年は眼をパチクリさせながら見つめた。 そして、霊夢が自分を突き飛ばした理由を青年は理解する。 どうやら、口が塞がっていたために息ができなかったらしい。 けれども、それは―――― 「鼻で息しなかったの?」 「……あ」 霊夢が間抜けな声をあげる。 頭が熱病にでもかかったかのように茹って、まともな思考ができなかったが青年の言う通り鼻で息をすればよかったのだ。 とたん、霊夢の顔が羞恥で赤く染まってゆき、青年はその様に噴き出した。 「ふふっ……あはははははは!」 「も、もう! 笑わなくてもいいじゃない!!」 子供のように頬をふくらませて怒る霊夢があまりにも可愛らしすぎて、拒絶されたのかと恐れていた青年の心を和ませ温めてゆく。 「ごめんごめん」 からかうように言いながら、青年は霊夢に再び唇を近づける。 対する霊夢も青年の想いに答えるかのように、青年の唇に自分の唇を重ねた。 霊夢と青年の熱い熱いキスは、まだまだ続く。 『初めてのチュウ 霊夢受編』end ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目850 「と、いうわけなんだよってこーりん聞いてるのか?」 「ああ、聞いてるよ、霊夢が可愛いんだろう」 「そうなんだよー、昨日なんか膝枕して耳掃除してたらやたら可愛い声を出してな その……なんて言うか性欲を持て余すwww」 「そうかい、でも落ち着けスネーク、ここで興奮しないでくれはたから見たら誤解される」 「失敬な、俺は霊夢のこと以外では興奮せんぞ」 「はいはい、ご馳走様」 昼過ぎに本を読んでいた僕の所に突然転がり込んでさっきから惚気まくっているのは つい半年ほど前に幻想郷に迷い込みそのまま博麗神社に住み始めた○○というごく普通の少年だ 当初はしばらくしたら外の世界に帰ると思われていたが 何を間違ったのかあの霊夢と恋仲になってそのまま住み着いてしまったのだ 「それで君は惚気話をしに来たのかい?それとも買い物に来たのかい? まあ後者は殆どないだろうがね」 「なんかえらく棘がある言い方するじゃないか」 「事実だろ?現に君がここに来て買い物をしたことは一度もないじゃないか まあ品物を強奪する連中に比べればましだけど」 「あ、あははははは」 「笑わないで君からも霊夢に店のものを持っていかないように言ってくれないか? 君が言ったら効果があるだろうし」 「気が向いたら言っておくよ、さってっと」 「もう帰るのかい?」 「ああ、なんか読書の邪魔しちゃったみたいだし それにそろそろ霊夢分が不足してきた」 「そうかい、ご馳走様」 「お粗末さまです、じゃあまた今度なこーりん」 そう言うと彼は神社の方に帰っていった 「まったくまさかあんなバカップルになるとはね」 霊夢も霊夢で色々と惚気ているもっともその対象は僕だけじゃなくもっぱら魔理沙や紫が対象らしいが 「この調子だとそろそろ指輪も要るだろうな、多分店にないか?って聞きに来るだろうし作っておくか まあその前に渋いお茶でも入れて飲もう、さんざん甘い話を聞かされたんだ胃がもたれてしまうよ」 そう考え僕は台所にお茶を入れに行った ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目 964 「霊夢・・・」 「あら○○こんな時間にどうかしたの?」 「カレーを作ったら・・・米がなかった」 ○○はとても落ち込んだ表情でなべを抱えていた 「ご飯余ってたら分けて欲しいんだが」 「運がいいわね、今からおかずを作るところだったのよ、これで手間が省けたわ」 「すまぬー」 「早く上がって、お腹すいたわ」 「おう霊夢、悪かったなーこの借りはいつか必ず」 「そんな事言って、いつになる事やら」 「はっはっはこやつめ」 「じゃあ・・・一つ頼みを聞いてくれるかしら?」 「?ああ、俺に出来ることならば」 こういうことは恥ずかしがって言うより一気に言ってしまったほうがイイに決まっている 深く息を吸い、頼みを言った 「私とキスして」 「へ?えっあー・・・そ、そういう冗談は良くないぞ、うん」 「・・・」 霊夢は俺をじっと見ている、その眼はいつになく真剣だ 「冗談・・・だよな?」 霊夢は何も言わず俺に近寄って目を瞑った これはいいのか!?いいのですか!霊夢さん!しちゃいますよ!?いいですね!こたえはきかないけどね! 「んっ・・・あっんちゅんんんーふぁ」 霊夢が近い、彼女の吐息がかかる距離、これはヤバイ 人生初めてのキスが此処まで官能的なものになるとは思っていなかった 俺は我慢できずに霊夢を抱きしめて、そのまま押し倒した 霊夢は驚いて俺を見ていた 「霊夢、俺はいでっ」 霊夢にでこピンされた 「馬鹿、がっつかないでよ」 「あー・・・すまん、ごめ」 俺の言葉は彼女のキスに阻まれた 「ん!?ぷはっ霊夢!?」 「これで許してあげる」 彼女は笑っていた これは反則だ、これで惚れないわけがない、それ位いい表情だ 「霊夢、俺さお前の事が―」 そうして俺らは3度目のキスをした ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目968-970 ○○が香霖堂に住み着いて早半年。 この世界に迷い込み、レミリアに戯れで捕獲されて紅魔館へと。 その後三回ほどお嬢様のお食事にされたのだが、ここで困った事が起きた。 彼は慣れてしまったのだ。吸血行為にもそうだが、この異常な世界に。 黒白の魔法使いが侵入してきて、魔法やら弾幕が飛び交う。 オマケに時と空間を操るメイド長や、何処からともなく表れるスキマ妖怪。 それに比べれば吸血鬼のお嬢様など可愛いものだ。血を吸う以外に害はないので。 が、それがいけなかったのだ。何せお嬢様はグルメなお方。 自分を恐れる者の血しか吸わないらしく、そうなると食料としては○○に価値はない。 かといって彼に何かが出来るわけでもないのだ。 そんなわけで彼は香霖堂に引き渡されたのだ。代金代わりとして。 それを渋々ながら受け入れてしまう霖之助にも問題があると思うが、追い出されるよりはマシだ。 今では○○もここでの生活に馴染み、霖之助に外の世界の話を聞かせたり、店番したりしながら暮らしている。 何事も慣れと言う事なのだろうか。 「やあアリス。いらっしゃい。お茶でも飲んでくかい?」 「結構よ。それより、霖之助さんはいないの?」 「商品探しのついでに買い物に出かけてるよ。俺がいるせいで食料の消費が早いからね」 ○○と二人っきり。そう意識してしまうと、体温が上がっていくのがアリス自身にも分かる。 もっとも、彼女はそれを期待してほぼ毎日の様に香霖堂に足を運んでいるのだが。 彼女は○○の数少ない友人だ。元々香霖堂に訊ねてくる者が少ないため、必然的に交友範囲は狭くなる。 それはそれで寂しい事だとは思うが、外は一般人の○○では気軽に歩けぬほど危険が一杯。 そして彼は自ら危機に飛び込むほど間抜けでもマゾでもないので、今の状況で満足している。 まあ、ほとんどが異性なので同性の友人も欲しいと思わなくもないが。 「で、何をお探しで?」 「何時もそう言うけど、貴方は店の事分かってるの?」 「整理くらいは手伝うんだけどね。イマイチ覚えてないな」 「なら言わない事ね。何時も通り、勝手に見させてもらうわよ」 ○○の軽口を受け流し、アリスは店内の物色し始める。 本当は探している物などないので下手にその辺りを探られると困るのだが、どうやら上手く誤魔化せたようだ。 内心で胸を撫で下ろしながら、アリスは○○を盗み見る。 店番がよほど暇なのか、彼はお茶を飲みながら退屈そうに本を読んでいた。 何か話を振ってくれてもいいと思うのだが、生憎○○はそんな気の利く人間ではない。 だがそれでいい。前から、二人が出会った時から何時もこんな感じだった。 そうして静かな時間を二人で共有する。 偶に話題が浮かべばどちらかともなく振り、それ以外の時は沈黙を保つ。 何時しか、それが二人の間に出来たルールだった。 「いらないって言ったでしょ」 「そ、だから紅茶を淹れたんだ。こっちの方が君は好きだろ?」 背後から気配を感じて振り返れば、ティーカップを持った○○の姿がった。 彼を盗み見ていたのがバレたかと内心で心音を高鳴らせながら、アリスは静かにカップを受け取る。 ○○がせっかく淹れてくれたものなのだ。口でどうこう言おうと、付き返したりはしない。 と、言うよりもしたくない。 「……○○って紅茶好きだったかしら?」 「いいや、全然。俺はお茶の方がいいよ」 霖之助も紅茶は飲まない、というよりアリスは彼が紅茶を飲んでいるところを見た事がない。 だから当然紅茶など置いてないものかと思っていたが、事実とは違っていたようだ。 「なら何でこの店に紅茶があるの?」 「僕が買ったからだよ。勿論自腹で」 彼が紅茶が好きではない。にも関わらず、身銭を切ってわざわざ購入した。 ほとんど居候状態で、収入と言えば稀に魔理沙とキノコ狩りに行ってそれを売るくらいしかない○○が、だ。 よほど大切な誰かのために買ったのだろうか。そしてその紅茶は彼女のために淹れられている。 「ねえ……何で……」 「俺の数少ない友人なんだ。何時も世話になってるし、気にしないでくれ」 そう○○は簡単に言うが、意識しないわけにはいかない。 これはつまりアリスのために買われた物なのだろう。そう考えると、頬が熱くなる。 そういえば彼の腕時計が無くなっている。これを霖之助に売って紅茶を手に入れたのだろうか。 若干興奮を抑えられずに○○の方を盗み見れば、彼は平然と本を読み出している。 自分だけ意識しているのが悔しく、意地でも悟らせまいとアリスは気合を入れ直した。 「……淹れるの下手ね」 「ほっとけって。こっちは器具も何もないし、色々面倒だったんだぞ」 「言い訳しても味は変わらないわ」 それは嬉しいとは思うが、それと同時に申し訳なさも感じてくる。 アリスは頬を染めたままカップに口を付け、紅茶を啜る。 収入のほとんどない彼が自分のために買ってくれた物だ。 どんな下手糞な淹れ方でも、美味しいと感じてしまう。 それでも素直になれない自分に嫌気がしつつも、アリスは沈黙を保った。 そしてアリスは一人考える。こうしていると結構良い雰囲気だと思うのだが、彼はどう思っているのだろうか。 直接訊くほどの勇気はなく、こうした曖昧な関係が続いている。 「あら、アリスじゃない。また来てたの?」 「そういう霊夢こそ暇そうね。巫女としての仕事はないの?」 と、モタモタしていたらアリスにとって嫌な客が来てしまったものだ。 このところ彼女との遭遇率が高く、せっかくの二人っきりの時間が台無しだ。 「やあ霊夢。お茶と茶菓子でも出すから商品の強奪は止してくれよ」 「失礼ね、それじゃあ私が何時もそんな事をしているみたいじゃない」 「その慎ましい胸に手を当て、今の言葉をもう一度よく考えてみるんだね」 自分には茶菓子の誘いはなかった筈だが、霊夢にはあるのか。 小さな嫉妬心を抱きながら、アリスは頬を膨らませる。 これ以上ここに居ると精神的によろしくない。 いや、○○と霊夢を二人っきりにするのも嫌だが、ここに居ると嫉妬心で本音を晒しかねない。 既に霊夢はアリスの事を気にしていないのか、○○が咥えていた煎餅を手を使わずに掠め取って満足気に頬張っている。 そうして、○○の直ぐ隣に腰を下ろしてお茶を啜る霊夢を睨み付けると、アリスは黙って香霖堂を後にした。 悔しいので今日の紅茶の礼として、○○を家に案内しよう。今度、いや明日にでも。 彼を家に招待するのは初めてだ。だが関係の進展のために、邪魔者が入らない様にするためにも必要なこと。 足音が鳴り響きそうなほど大股で力強く歩きながら、彼女は拳を握り締めた。 「……霖之助さん、○○が何処へ行ったか知らない?」 翌日、店内に○○の姿が居ない事を確認し、アリスは不機嫌そうに霖之助に尋ねる。 基本的に○○が一人で外出する事はない。何故なら彼一人では魔法の森を抜けられないからだ。 と、なると誰かと一緒という事になり、彼を連れ出すよう様な知り合いは女性しかいないわけで。 せっかく決心したにも関わらず相手がこれでは、アリスの機嫌が急激に傾くのも無理はない。 「ああ、彼なら霊夢に持っていかれたよ」 「持っていかれた?」 「そう。これ貰っていくわよって言うと、彼の強引に手を引っ張って行ってしまったよ」 何だそれは。一瞬アリスは呆然となるものの、直ぐに怒りの炎を燃やす。 霊夢は貰っていくという表現をしたのだ。借りていくではなく。それはつまり、返す気がないと言う事に他ならない。 「何で止めなかったのよ!」 「止めはしたさ。だが困った事に、彼女が店の商品を勝手に持ってくのは今に始まった事じゃない」 「……何時からこの店は人身売買を始めたのよ」 「たぶん、彼が始めてこの店に来た時からかな」 こんな事なら自分が買っておけば良かった、などと危ない事を思いながら、アリスは香霖堂の戸を乱暴に閉めた 本音を悟られたくないなど、そんな事はもうどうでもいい。 とりあえず、あの年中頭が春の巫女と決着を付けなければ収まらない。 両の拳を握り締め、アリスは全力を以て神社へと直行する。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ559 ――ドガガガガガッ 穿たれる木々、抉れる地面、暴風よろしく荒れ狂う弾幕。 ボヒュ、というあまり精神的によろしくない音とともに、隣の木が消滅した。 「~~~~っ」 声にならない叫びをあげる俺。ヤバい、マジで洒落になってねぇ。 「○~~~○~~~~? 怒ってないから出てらっしゃーい?」 背中を預けた木のさらに後方から、天使のような声が聞こえる。 恐らく極上のスマイルも浮かべているのだろう。聖母の慈悲のように。 だが俺は知っている。その声の裏には120%の殺意が込められていることを。 「ウソつけっ! お前今出てったら確実に俺の事消すつもりだろ、霊夢!」 叫ぶだけ叫んだ直後、別の木の陰へと素早く移動する。(黒光りするアレのように) それと時を同じくして、先ほどまで背中を預けていた頼りなき相棒が文字通り吹き飛ぶ。 「チッ、外したか」 舌打ちと共に声が聞こえる。 うわ、黒っ。 こうなっているのも元はと言えば俺のせいなのだが…… 「納得いかねぇ!」 やり場のない怒りを、空に向かって放った。 ~15分程前~ まだ何事も起きていない、平和な時間。 俺は博麗神社への石段を5段飛ばしでのぼっていた。 常人…そもそも一般的に人間と呼ばれる存在がこの神社に来るかは甚だ疑問だが もしいたとしても、俺の事は風が吹いたようにしか感じないだろう。 空を飛んでも構わないのだが、実は飛翔術はちょっと苦手だったりする。 "飛ぶ"ことはできるのだが、速度や方向のコントロールがいまいちきかない。 慣れればいいだけの話だけなのだが、どうにもセンスというかそのあたりが欠如しているようだ。 以前飛行中に激突事故を起こしてからはあまり飛んでいない。 「よっ…と」 忌まわしき記憶を思い出しているうちに、頂上に辿り着く。 境内をざっと見回した限りでは人が見えない。巫女は留守か? 「おーい、霊夢ー? いるのかー?」 返事はない。 まったく、指定された時間に荷物を運んできてやったというのに。 「いないのか……、ま、荷物だけ置いておくか。金は後日……」 (払ってくれるのかな、ちゃんと) 一抹の不安を抱かないでもなかったが、生憎と次の用事まであんまり余裕がない。 裏手に回って彼女がいつも生活しているスペースに上がりこむ。 仕事以外にも割とお茶を飲み来たりと何だかんだで付き合いはある。別に怒られはしないだろう。 玄関に放置、というのも不安なので彼女の部屋まで持って行くことにした。 「ちーっす、○○陸運、お荷物をお持ちいたしま…し……た」 人がいようがいまいが挨拶だけは欠かさないのがモットー…なのだが。 この時ばかりは、さすがに固まった。 目の前の少女も、固まった。 何しろ目の前の少女は 着替え中だった。 床に置かれた巫女装束一式に、危険なまでにはだけたサラシ。 色々危険なエリアまで見えそうで見えないのが憎らし…って何考えてるんだ俺。 正直目の遣りどころに困ったが、逸らしたら負けな気もする。 停止することきっかり3秒、思考をフル回転させる。 「頼まれていた荷物はこれだ。次の荷物を運ばなきゃならないから、今日はこれで」 あくまで無表情を装い、業務連絡を告げている間にも彼女の顔は停止したまま赤く染まっていく。 それは羞恥なのか、怒りなのか。 ただ、俺の命がヤクいぜYeah! とシックスセンスがブレイクダンスをしているのだけは確かだった。 荷物を近場の机の上に置き、後ろを振り向き、扉を閉め。 「失礼いたしましたァーーーーッ!」 業界最速と呼ばれるブン屋にせまる勢いで走り始めた。 「っきゃああああああああああああああ!!!」 普段のさばさばとした態度とは裏腹に割と可愛らしい叫びが背後の遥か彼方から聞こえる。 (あいつってあんな声も出せるんだな…っと、今はそれどころじゃねぇ) どこへ身を隠そう。 ――石段を駆け下りる途中から脇の森に飛び込み、 隠れ場所を探していたら直径10m程の陰陽玉が降ってきて。 慌てて逃げて木陰に隠れて、後は先述した通りだ。 少しずつ、少しずつ移動しながらの逃走劇。 こっちは命がけの隠れ場所探し。 かたやアイツはサーチ&デストロイ(常時弾幕展開つき)。 (くそ、このままじゃジリ貧か……) 舌打ちすら満足に打てない(居場所が特定される)。 (嗚呼、明日の朝日は拝めないのか、俺……ん?) 自らの不運と現在の状況を嘆く。 ――と、ふと俺の鼻が"敵"の匂いをかぎつける。 半獣の身である俺は、人よりもモノの匂いと音に敏感である。 霊夢も人の身としては随分と目鼻が利くハズ……なのだが。 ボヒュン! と真横をまた弾が通り抜けていく。 (あの冷静さを欠いた怒髪天っぷりじゃなぁ……) 気付いているわけが無いだろう。 さて、どこにいやがるかな。 後ろからは相も変わらずド派手な弾幕が迫ってきている。 それでも、敵がいる以上は位置を掴んでおかなければならない。 (――いた。うぁー……マジすか) どうやら敵は俺の後方。つまりは霊夢のさらに後ろから寄ってきているようだった。 さらに言うなら俺のことはアウトオブ眼中、霊夢の方へと一直線。 大方、普段散々妖怪退治をされている側からの仕返しといったところか。 普段だったら、そう、普段通りだったなら。 アイツはさっさと気付いて妖怪を返り討ちにしている。 しかし今では、近づいてきていることすら気付いていない。 助けに行くか、否か。 行くとなれば、まずは霊夢の弾幕から乗り越えていかなければならない。 行かない場合は、俺の寝覚めが悪い。 「あーもう……しょうがないな!」 伸びきっている髪をがしがしとひとかき。 霊夢の方へ向き直り(依然身は隠したままだが)、走り出す体勢を取る。 件の化物は霊夢まであと十数メートル。もう余裕はない。 一瞬の弾幕の隙間をつき、駆け出す。 前へ、もっと前へ。 誰よりも早く! 地面を軽く抉りながら足を踏み込む。 霊夢が俺の姿を捉える。 鬼面が見えたが構わない。そのまま距離をひたすらに詰める。 そんなことよりも、今は優先しなければならないことがあるから。 ようやく異変に気付いた霊夢の元へ辿り着いたのと、化物が腕を振り上げたのはほぼ同時。 「すまん、霊夢」 着替えの場に遭遇してしまったこと、それと今からすること。 それらの謝罪を一つに込め、霊夢を突き飛ばす。 直後、その景色が勢いよく横に流れた。続いて地面に激突する衝撃。 (あっははは……してやったぜ……) 混濁する意識、真紅に染まる視界の中、駆け寄ってくる霊夢の姿が見えたあたりで 俺の意識は完全にブラックアウトした。 「……痛……」 「あら、目は覚めましたか?」 目が覚めて見えたのは何度か見たことのある天井。 確か永遠亭の病室だったか。 「俺は……生きてるのか」 あの状況でよくもまぁ、と溜息一つ。 「私の腕を疑っているのかしら? ふふ」 助かって当然よ、という感じで微笑んでいたのは おそらくこの幻想郷で最高の腕を持つ医者、永琳だった。 「俺、どれくらい寝てました?」 大体の身体の鈍り具合で調子をはかる。 「運ばれてきてからをカウントするなら2日は寝てたわね。……どう? どこか調子悪いとこはない?」 「ん、別に……さすがに意識が吹っ飛ぶ勢いで殴られた後だからか、あちこち痛いけどね」 「そう」 慣れた手つきで手元のカルテに色々と書き込んでいく。 「一ヶ月は安静してないとダメですからね」 そういって病室から出ていく永琳。 「あ、そうそう」 出て行ったと思ったのだが、ひょっこり顔だけ覗かせてきた 「何ですか?」 「礼を言うならそこの彼女に言うのね。血塗れの貴方を背負ってきたばかりか 貴方が起きるちょっと前まで、寝ずに看病してたのよ?」 それじゃね、とひらひら手をふり、彼女は今度こそ病室を出て行った。 そこの、と指差された先にいたのは……すやすやと眠りこける霊夢だった。 「すー…」 人の枕元で寝息をたてている彼女は、とても無防備で。 「とりゃ」 思わず頬をつまんでしまった。やわらけー。 「ふにゃ?」 「おはよう、霊夢」 とりあえず自分にできる中では最高の部類に入る笑顔を浮かべる。 痛みで少々ぎこちなくはあるが、及第点だろう。 「あれ、○○……おはよ…う……!?」 現実を認識したのか、顔が耳まで赤くなる。 同時に俺から全力で飛びのいて壁に後頭部を打ち付けた。 (なんてお約束な……) 苦笑するしかない。 「頭を抑えて悶絶する霊夢。しかし彼女の心境は痛みよりも、 寝顔を見られたショックでいっぱいなのだった。まる」 「オペすんなっ」 がばっと顔だけ上げて抗議する霊夢。顔はまだ赤い。 頬に愛の手形をもらうことで、彼女を落ち着かせることに成功した。 全身に残る傷よりも痛いのは、きっと気のせいだ。 「……で、傷の具合はどうなのよ」 「肋骨が何本か折れてたらしいね。永琳先生の薬と処置でなんとかなったみたいだけど」 「どうしてあんな無茶したのかしら?」 「いやあ、面目ない。かわせると思ってたんだがなー」 「私があんな雑魚に遅れを取るとでも?」 「現に後ろ取られて、俺が突き飛ばすまで気付いてなかったのはどこの神社の何巫女様ですかー?」 「ぐっ……でもそれは元はといえばアンタが…っ!」 「まあまあ、こうして生きてるんだからいいじゃないか」 はっはっはっ、と笑おうとして 「痛っつー……」 怪我人だったことを思い出した。 「ほんとに大丈夫なの?」 「お、おう……任せておけい」 「まったくもう」 しょうがない人ね、と溜息をつく霊夢。 「ここまで運んでくれたの、お前なんだってな」 「血塗れの知り合いを放って置くほど冷血じゃないわ」 「ありがとな。何にせよ助かった」 「……お礼を言いたいのは私の方よ……」 「ん? 何か言ったか?」 「なんでもない!」 「変な奴」 「変なのはアンタの方よ……私なんかの為に身体張って」 む。今のは聞き捨てならんな。 「なんか、とはなんだ。 お前は俺にとって大切な奴の一人なんだぞ」 だから自分を貶めるな、と続けようとして。 傍らの巫女の目に涙が浮かんでいるのが見えて、言葉が詰まった。 「戦闘にそんなに慣れてるわけでもないのに無茶して飛び出して、血塗れになって。 呼びかけても揺すっても起きないし、このまま死んじゃうんじゃないかって思ったわ。 アンタが居なくなったら、私は……」 そのまま俯いて黙ってしまった。 しばらく目を泳がせた後、ぽんぽん、と霊夢の頭を軽く叩く。 「俺はどこにもいかないし、そう簡単に死にもしないさ。 走るくらいしか能はないけど、好きな奴のためなら身体くらい張るんだぜ」 それに、と付け加える。 「俺には天下の博麗山の巫女の加護がついてるんだぜ。ばっちりだろ。な?」 親指をたてて、笑みを浮かべる。 ようやく顔をあげた霊夢は、うっすらとうかべていた涙をさっと手で拭うと 「ぷっ……馬鹿ね。アンタやっぱり馬鹿だわ」 こんなことを抜かしやがった。 「む、失礼な」 どうしようもない馬鹿なのは自覚しているが、他人に言われるとちょっとムカつく。 「しょうがないからその馬鹿が治るまで、一緒に居てあげるわ」 そう言って、極上の笑みを俺に向けた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 8スレ目 23 「霊夢!たとえどんな世界だろうと俺はお前のことが好きだ!」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 8スレ目 35 「霊夢、お前が好きだ、悪いが魔理沙やアリスにくれてやるつもりはない!もう一度言う。俺はお前が好きだ愛してる結婚式を我が家であげよう」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 8スレ目 71 魔「おーい○○いるかー?」 ○「居るか居ないかを聞きながら入ってきてんじゃねーよ」 魔「なんだぁ、やけに機嫌が悪そうじゃないか」 ○「お前には関係ないだろう、それよりお前こそやけにボロボロだな 弾幕で誰かに負けたか?wwww」 魔「弾幕ごっこじゃないけど霊夢にやられたぜ」 ピクッ ○「…………ふぅん、霊夢に、ね」 魔「霊夢もやたらと機嫌が悪くて神社に入った瞬間に針やら陰陽玉やら飛んできたぜ」 ○「そりゃ災難だったな……」 魔「まあ恋人同士のことにわざわざ口出すのも野暮だけどこれだけは言わせろ 私が霊夢に『○○と何かあったのか?』って聞いたら泣きそうな顔で夢想封印を撃ってきたぜ」 ○「……っ!?泣きそうな顔でか?」 魔「ああ、泣きそうな顔で」 ○「そうか……」 ガタッ 魔「ん?どうしたんだ?」 ○「ちょっと出かけるだけだ」 魔「そうか、じゃあついでに送ってってやるぜ、どこだ?」 ○「決まってるだろ、博麗神社、霊夢のところだよ!」 喧嘩した○○と霊夢の仲を取り持つ魔理沙を書いてみた しっかしこれ○○×霊夢なのに霊夢は出てこないしイチャついてないしで いいのか?これ ─────────────────────────────────────────────────────────── 8スレ目 109 ○「霊夢~♪」 がしっ 霊「きゃ!?○○?」 ○「あ~霊夢っていい匂いがするな~」 霊「こ、こら!くすぐったいから離しなさいよ!」 ○「霊夢が可愛いから嫌」 霊「答えになってない!」 ○「俺が霊夢といるのに答えなんかいらないし理由だって要らない」 霊「……アホじゃない」 ○「そんなこと言って、本当は嬉しいくせに」 霊「…………馬鹿」 ○「で、このまま抱きしめてていい?」 霊「…前から」 ○「ん?」 霊「抱きしめてもいいから前からして。 ○○の顔、見えないし」 ○「了解」 ───────────────────────────────────────────────────────────
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霊夢 ストック 3 ゲージ速度 普通 発動タイミング 自摸時 発動後四巡捨牌を他家にロンされない。 効果中に切った当たり牌は同巡振聴、リーチ後見逃しの振聴の対象にはならない。 主な使用タイミング 現物が無い時(2件リーチ等対応が難しい時)、流局聴牌、追いかけ時の3場面で使う事になる。 平場でなければトップ逃げ切り等にも使う。 攻守共に使える非常に使いやすい能力。 守り、かわし手 2件リーチの場合、四巡だけの回避でも他家が振ってしまう可能性が高く かなり強力な守りとして使える。 また、追いかけるに満たない愚形テンパイ時も安全にテンパイを維持できる。 流局聴牌を狙う リーチ相手に流局聴牌(ここでは形式聴牌とする)を狙う場合、かなり手前から狙うことが出来る。 手前から狙う分リーチ者のツモ率も上がるので考慮しなければならない。 追いかけ基準の変化 能力使っての追いかけが非常に強い。 卓別の追いかけ判断表を見てもらえば分かるが、追いかける時に切る牌の危険度は 期待収支に直結しているので非常に強力。 被先制リーチで既にテンパイしている時 既に良形聴牌しているならば、ほぼ全ての局面で能力使用で追いかけてしまって良いだろう。 既に愚形聴牌でもほとんどの局面で押しだが、流石にこれはリーチ棒と被ロンの損失が大きいので ある程度点数が欲しい。もちろん通常より押しのラインは緩い。 通常卓、子:子のリーチに能力を使って追いかける場合 待ち/巡目 4 8 12 リャンメンリーチ 全押し 全押し 全押し カンチャンリーチ 2000以上 2000は微妙、3900は押し 2000点は微妙、3900は押し 通常卓、子:親のリーチに能力を使って追いかける場合 待ち/巡目 4 8 12 リャンメンリーチ 全押し 全押し 全押し カンチャンリーチ 2000は微妙、3900は押し 2000は損、3900はギリ押し 2000点は損、3900はギリ押し ※上記は過去データだが現在の能力でもほぼ変わらないはず 親は超愚形低打点など、よほどの事が無い限り全部押す。 終盤は不聴罰科の兼ね合いもあるので割と積極的に押して良い。 被先制リーチでイーシャンテンの時 イーシャンテンから先制リーチに対し能力を使って押す場合、 能力の無駄遣いになってしまう事が結構あるので、テンパイ確率も把握しておきたい。 目安として、3巡ツモれば50%程度のテンパイが期待できる手は能力を使って押す。 必要点数は卓別判断表の危険度0%の少し上を見る。 勿論能力はイーシャンテンから危険牌を切る時に使うべき。 危険牌を切って聴牌まで漕ぎ着けてから使うより、漕ぎ付く際に使う。
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処理順の基本 残業の使者さんの「知り得」画像をベースに作成 効果には基本的に「誘発」「解決」の2段階があり、効果は誘発した順に解決される。ひとつの効果の解決中に他の誘発効果は割り込まない 勝利のカード・死神のカードは誘発効果ではない。引いた瞬間に勝利・敗北する 条件付きの効果処理は、誘発段階で条件を判定する 例 天狐の社のターゲット判定 ただし、ランダム要素のある効果は、解決の段階でランダムの抽選を行う また、最大値等を参照する効果は解決の段階で判定を行う 例 カムラの攻撃力判定 何かのカウントを参照して追加or代替処理を行う効果も解決の段階でカウント判定を行う(暫定) 例 ノア(ビショップ)のXと進化 ただし夜天の吸血鬼を自傷6回で出してもフォレストバット両方突進のみになる。自傷回数ではなく狂乱状態かどうかを参照していると説明はつくが境目が結構曖昧になりそうなので別の説明がいるかもしれない 同時に誘発した効果は以下の優先順位でソートして解決する手札→リーダー+場のカード→直接召喚 [同カテゴリ内]ターンプレイヤー→非ターンプレイヤー [盤面内]リーダー→盤面の左(先に出したカード)から順に [手札内]手札の左側(古い方)→右側 例 日輪のドラゴン [同カード内]上に書いてある効果から順に→後から付与した効果(付与順に) 同時に見える(かもしれない)誘発タイミングの原則[先]ファンファーレ・(自分自身が)場に出た時[中](他フォロワーを)プレイしたとき[後](他カードが)場に出た時「相手がフォロワーをプレイした時それに干渉する」効果 例 レオネル、ルインウェブスパイダー は「フォロワーが場に出た時」より早い。レオネルが操縦予定のフォロワーを吹き飛ばして不発にしたりする。 少なくとも手札からプレイするときは「場に出た時」はファンファーレと同タイミング以上。レオネルより早い 例 アイシィは列車を出した後デッドペナルティを加える 。一応「(ファンファーレまたは)場に出たとき」という文言が隠れている認識で今のところ正しく処理できる。 [先]ラストワード[後](他カードが)破壊された時 要検証 「場を離れた時」(征伐)はラスワと同時?離脱はラスワと破壊された時の間っぽい [先]進化時[後](他フォロワーが)進化した時 [先]攻撃時[後](他フォロワーが)攻撃した時 例 レイサム、マナエルク (※2021/03/30のアプデにより同時から変更) [同時]交戦時・攻撃時 [先]手札から捨てられた時[後]手札から捨てるたび 例 荒牙の竜少女 複数の対象に同時にダメージ・除去・ドロー(・回復もおそらく同様)を行うテキストは「同時に誘発した効果」と同様の優先順で1ターゲットずつ処理する 例1 血餓の女帝とラスワ複数は交互に効果が発動する 例2 体力3のブラッディ・メアリーがいる状態でデモンストームを撃つと相手リーダーに6ダメージ入る 。メモ 何かあったらゼルガネイア進化が検証しやすい 体力0フォロワーの破壊処理は優先度が高いが体力0になった瞬間ではない。全体ダメージによる破壊の場合、「場にある間有効」効果が後ろのフォロワーにかかった状態でダメージが入る。 ラストワード・「場を離れる時」以外の効果は、解決前に効果を持ったカードが場を離れた場合解決されない。一つの効果にまとまっている場合は途中で場を離れても最後まで処理する。ファンファーレも(普通は場を離れた後に別の効果はついていないがディメンションドミネーターなどで付与された場合)同様。 例 ディメンションドミネーターのファンファーレを付与したスロースを共鳴で投げると解決前に場を離れるので2PP回復しない 効果の誘発後~解決前の間に、該当(その効果を持った)フォロワーの能力が消えても効果は解決される。 例 ユリウスにミュニエを投げても1点食らう 「このアミュレットが場にある限りリーダーは『カードをプレイした時○○』を持つ」 例 魔道具専門店、頂きの闘技場 については、ファンファーレやスペルで場を離れても発動する。原理は上記ユリウスミュニエと同様に「誘発した効果はリーダーがいなくならない限り消えない」。 「葬送したなら」は、「可能であれば葬送する。葬送を実行したなら」の意で強制。また、「葬送したなら」と書いてあるタイミングで葬送を行う 例 ボーンドミネーターは葬送前にドローを行う 。ただし対象はプレイ時に選択する。 操縦について 対象フォロワーを場に出すと「(他のフォロワーが)場に出た時」と同じタイミングで乗り込みが誘発し、処理時に乗り込む乗り込んだフォロワーは「場を離れた」扱いにはならない 場は離れていないのだが、ダメージカット 例 ソフィーナ は剥がれる(ファンファーレで付与するもの 例 シオン は戻らない)「場を離れる時の能力は発動しない」の文言に反しているので正式な仕様なのか分からない 操縦時能力は乗り込んだ際(乗り込みの処理タイミング)に誘発する 操縦フォロワーを場から離すと操縦していたフォロワーが場に戻ってくる(離脱)このフォロワーは「場に出た」扱いにはならない(効果も発動しないし連携カウントも増えない) 操縦するフォロワーが乗り込みの処理前に場を離れた場合、乗り込みは不発に終わる 例 レオネル ※レオネルは「プレイ時」のため「場に出た時」の操縦より誘発が早く、不発が発生する 逆に乗り込む前に2体以上フォロワーが出た場合、「操縦する」誘発は各フォロワーに対して行われる 例 トイリペアラー 。ただし「何も載っていない乗り物」「場に残っている操縦車」の両方が解決段階でないと操縦に至らない。 各タイミングでの処理の流れ詳細 ゲーム開始時 相手が表示されるリーダー表示の際に文字でクラスも表記される。 先攻後攻を割り振る 手札交換(マリガン)を行う最初に配られた3枚から任意の枚数を山札に戻し、それ以外の山札から同じ枚数のカードを引く。よって手札交換で戻したカードは引き直しの際には引かない。複数入っている同名のカードは引く可能性がある。 ここで絢爛のセクシーヴァンパイアやアダマンタイトゴーレムを引いても効果は発動しない。 手札交換の間、右上に相手クラスがマークで表示されている。 プレイヤーには先攻後攻が左上に表示されている。アプデにより観戦モードでも分かるようになった。OWNERが手前、GUESTが奥。 お互いの交換が終わった後、相手が山札に戻した枚数が表示される (ゲーム開始後だが)後攻は1ターン目に追加で1枚カードを引く。これは同時に行われるため共鳴状態の回数(マグナゼロ)は増えないこれに効果は割り込まない。 例 セクシーヴァンパイアを2枚引くと両方消滅する また、後攻のみ1ターン目に無条件で渇望状態になる。 ターン開始時 「ターン開始時まで」効果は開始時効果解決前に切れる。ほぼ「(反対プレイヤーの)ターン終了時まで」と同義とみてよい(ただし超越でのエクストラターン時に差が出る)。 PPが最大値増加・回復 「ターン開始時」効果が基本処理順に沿って誘発・解決PP増加より後。「ターン開始時、覚醒状態なら」は7PPぴったりでも発動する アミュレットのカウントダウン減少は「ターン開始時に誘発」なので他効果と同時。ただし書いてある順ではなく、一番下のタイミングっぽい 例 洞窟の聖堂の処理順を見ているとフォロワー出現が先 アミュレットはカウントダウン0になった瞬間消えるが、ラストワードはカウントダウン減少を解決したタイミングで誘発するので他効果より遅い。 直接召喚の順はランダム(詳しくはランダム処理について参照) その後通常ドロー カードプレイ時 フォロワー・アミュレットは基本処理順に沿って解決(ファンファーレが早い) 「(スペルを/カードを)プレイした時」効果はスペルの効果解決前に誘発する(イメージとしては「スペルを唱えるとスペルの効果がファンファーレタイミングで誘発する」)。 例 魔道具専門店を置いて知恵の光を唱えアダマンタイトゴーレムを引いた時、アダマンより先に専門店の効果が誘発する 変身チョイス・アクセラレート・結晶カードは最初から別のカードとしてプレイする 例 ローフラッドでパクるとデッキに結晶・幽暗の墓守が入る Tips ローフラッドで天地侵略編チョイスサイクルスペル(包み込む願いで選ぶイリスの祈り等)をパクると0コストで山札に入る。包み込む願いのテキストをよく見ると納得できる アクセラレートスペルは元のカードのタイプを引き継ぐ(少なくとも機械神は機械タイプ)。ローフラッドでパクったアクセラレイサムが指揮官なのかは検証していない フォロワー攻撃時 基本処理順に沿って解決(攻撃時・交戦時・攻撃した時は全て同時) 交戦時能力は、解決時に交戦相手が場にいなくても発動する(対象を交戦相手にとっている場合は不発) 交戦で相打ちしたフォロワーは、ターンプレイヤーのものが先に破壊される 例 1/1のシャドウリーパーを置いて横のフォロワーで相手のベレヌスと相打ちを取るとリーパーは生き残る 攻撃時・交戦時効果や、その結果発動した効果をすべて解決してから交戦およびリーダーへのダメージ判定が行われる ドレインの回復量は実際に交戦で与えたダメージ分。ダメージカットやラブソングシンガーの影響を受ける ドレインの回復は対象フォロワーの破壊やリーダーの敗北処理の前に入る。ダメージによる効果は破壊の前に入る?詳しいフローを要検証。 必殺は「お互いにダメージを与えあった後、体力が0になったのと同じ手順で破壊を行う」効果。ただし体力が交戦後の体力のまま破壊が行われるため、「破壊される直前の体力」を参照するフォロワー 例 ツタンカーメン・イルガンノ に変わった影響を与える。 「攻撃しての交戦後に生き残っていたら発動する効果」 例 氷剣の戦鬼 は、攻撃時に発動した効果・交戦の結果発動したラスワ等をすべて解決した後に解決する(要検証 誘発タイミングはいつ?)また、攻撃時効果で対象が破壊されるなどして交戦自体が発生しなかった場合、その効果は発動しない テキストが「攻撃して相手フォロワーを破壊」条件だった場合、オバヒ等で消滅してしまうと条件を満たさなくなる ラインハルトは「ダメージを受けた時」なのでラスワより誘発が早い フォロワー・アミュレット破壊時 基本処理順に沿って解決(ラスワが先) 「このカードが場を離れる時失われる」効果は誘発効果ではなく、判定の瞬間に対象カードが場にいるかどうかが基準になる 例 進化ペインレスサムライにキョウカのファンファーレをぶつけるとリーダーに2点入る 「このカードが場を離れる時失われる」をリーダーに付与する効果は、そのフォロワーの能力を消しても場を離れたときに失われる(リーダーが「対象フォロワーが場にいるかどうかを参照する」効果を持っているイメージ)。 「特定のカードが場にある限りダメージを受けない」効果(虹アイラ)は、ダメージの瞬間に対象フォロワーが場にいるかどうかを参照する(2020/8/20以前は誘発効果だった) ラストワードでネクロマンス効果を持っているカード 例 スカルフィッシュ は、自身の破壊によって増える墓場もカウントする要検証 オシリス・何かの順に並んでいる時に全体除去で破壊してぴったりネクロマンス5を満たすとどうなるか ただしネクロマンスが発動するかの判定タイミングは破壊された瞬間なので、スペルでの処理中に破壊されてそのスペルも合わせて墓場枚数ぴったりの場合はスペルが墓場にいっておらず発動しない。 「破壊される直前の体力」を参照するフォロワー 例 イルガンノ は、-x/-xされて破壊 例 ネレイア された場合、体力0ではなくデバフ前の体力から破壊された判定になる(2/3→0/1→破壊などの場合は普通の処理)。 「破壊されない」カードに破壊効果を使っても破壊されたことにはならない 例 血餓の女帝がいる状態で古の英雄に破壊スペルを撃っても何も起こらない が、ウルズの復活条件は満たす(選択するだけでよい)。 消滅と破壊の違いは以下の通り墓場が増えない ラストワードと「破壊された時」効果が発動しない(「場を離れる時」は発動する) 「破壊されたフォロワー」にカウントされない 「破壊されない」効果を受けない 変身と破壊の違いは以下の通り墓場が増えない ラストワード・「破壊された時」「場を離れる時」効果が発動しない 「破壊されたフォロワー」にカウントされない 「破壊されない」「消滅しない」効果を受けない 変身して別のカードになるが、「場に出たカード」の枚数は増えない(場に出た扱いにもならない 例 ダーティプリーストと清き転変 ) 全体ダメージは同時により近い(機械神よりタイミング優先度が高い)。状況起因処理が割り込まない。 例 ソフィーナと灼熱の嵐 進化時 基本処理順に沿って解決(進化時が早い) 「進化ポイント(EP)を使うこと」すなわち進化ではない。シルヴィアや天災のジェネシスドラゴンを使っても「進化した回数」は増えない。 フォロワーの進化時にコストが減るカード 例 アジ・ダハーカ およびユニオンバースト減少の解決順はおそらく進化時→盤面の進化した時効果→手札(左から)。要検証 「他のフォロワーが進化した時」のダメージ効果 例 ピアシィ は効果で同時に進化した場合回数分を束ねて一発で飛ばす。テキストに書いていない処理をするうえダメージカット等の処理が変わってくるのでかなり注意が必要。 カードを引く時 複数ドロー時も順に1枚ずつ引いている。 手札が上限枚数(9枚、リリース後少しの期間だけ8枚だった)の状態でカードを引くと手札に加わらず墓場が増える(通称 燃える、焼ける、溢れる)。山札からは消える。これは「破壊されたカード」や「捨てられたカード」ではない。 これが「手札に加わる時、公開して~」の効果を持っていても発動しない。 「手札に加わるたび」の効果(背徳の狂獣)は発動する。 同じタイミングで引くカードの両方に絢爛のセクシーヴァンパイアがあった場合、厳密に同時ではないのだが、復讐判定が誘発時に行われるため両方消滅する。アダマンタイトゴーレムの土の印の数判定も同様。ターン開始時のリーダー付与ドロー 例 密約の吸血鬼 が複数かかっている場合は同タイミングだが、ルールで行うドローよりは前。これは別タイミング。 手札を捨てた時 基本処理順に沿って解決(捨てられるカードを左から→プレシオ→竜巫女の儀式や荒牙の竜少女を左から) 「手札をランダムに捨てる」効果は、誘発時点で手札が0枚の場合「捨てない」判定をされ、解決時点で手札があってもスキップされる 例 黄金竜の棲家を2つ置き手札0枚でターンエンドすると手札が2枚になる 「手札を複数枚選んで捨てる」効果 例 ショーダウンデーモン は手札が1枚でも1枚選び捨てる 要検証 複数枚をランダムに捨てる効果(ミトラ・輝石のドラゴン)は左から処理するのかランダムなのか。テキストが違うので気になる PPが増えた時 「覚醒状態なら」効果 例 ドラゴンライダー は、PPが7に増えたとき、または場に出たときに誘発する。7PP後常時バフされる訳ではない。 例 ゾディアックデーモンでドラゴンライダーを投げても2点しか出ない。手札でも2/2/2のまま。 また、ドラゴンライダー等が場にいる状態でPP最大値を6以下に減らすとしっかり元に戻る。 ターン終了時 「ターン終了時」効果が基本処理順に沿って誘発・解決 「ターン終了時まで」効果が失われるのは他の効果が解決されるよりも後(ターンのエンドフェイズに「ターン終了時」効果を解決しており、ターン自体はまだ手番プレイヤーにあるイメージ) どこに置いていいか分からない小ネタ 霊道が置いてあるときに死滅の剣皇をリアニメイトするとネクロマンス消費はどちらが先か トークンカードがプレミアムかどうかはトークンを生み出すカードがプレミアムかどうかで決まる。オールスター2Pickでノーマルカードを生み出す手段は存在しない。 母なる君ドラゴンスフィア問題は「進化後に守護を持つカードは「守護を持つ効果」を誘発している」で決着がついた 合体について追記すべき? 怪犬の墓守(ポルターガイスト)とオーバーヒートデーモンの効果が同じフォロワーに付与されているとき、付与順にかかわらずそのフォロワーは場を離れる時破壊される。 「手札に特定の範囲からカードを加える効果」について、公開情報になるものとならないものチョイスは公開しない 山札から加えるカードは公開しない ランダムな範囲からトークンを加えるカードは公開する
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霊夢37 Megalith 2011/02/16 ある初夏の日、ふと出かけた山歩きのさなか、現世から迷い込んだ世界、幻想郷。 岩場から落ちて大けがを負っていた俺を助けてくれたのは博麗神社の巫女、霊夢。 巫女衣装にはちょっとほど遠い不思議な衣装に最初は面食らったが、 流れる黒髪、赤いリボン、そしてその愛くるしさと性格から、 怪我を負って療養していた俺はだんだんと霊夢を好きになっていった。 怪我が癒え、霊夢の為に神社に居候することを決め、俺は霊夢と一つ屋根の下に暮らすようになり、 そんな生活を数ヶ月繰り返して、俺は霊夢に告白した。 霊夢も初めは初めてのことで驚いてはいたが、向こうも満更ではなかったようで、 俺の思いを受け入れてくれた。 この時俺は、この幻想郷で一生暮らす事を誓ったのだが・・・ 周りの連中から揶揄と祝福を受けながら暮らす俺たちに、幻想郷を統べる妖怪の賢者、 八雲紫が降りてきた。 なんでも噂をかぎつけて祝福がてら冷やかしに来たそうだが、本心は別のところにあり なんでも10月で1年で1度だけ下界に戻れる時があり、今回は俺に顕界の里帰りをさせてくれるという。 せっかく戻る機会、是非とも俺は霊夢を外の世界に連れて行ってあげたかった。 二つ返事で承諾すると、1週間という期間限定で外の世界に送ってくれるという。 旅支度を調え、不思議なスキマを通り抜け、俺は霊夢と元の顕界、俺の故郷と実家に連れて行った。 実家ではずっと失踪していた息子が妙齢の若い娘が付いてきたことでてんわやんわとなり、 霊夢は引っ張りだこだった。 あの巫女服も意外に受けが良かったし、お袋は嫁でもないのに洋服などを買い込む始末。 また外の世界は初めての霊夢には色々な場所へ連れて行った。 流石にスペカや空を飛ぶ能力は封印してもらったけど。 そんな生活を送り、いよいよ6日目となり、幻想郷に戻る日が近づいてきた・・・ ギュルルン、ギュルルン・・・ 霊夢「ちょっと、このバイクって奴?すごく匂うんだけど・・・」 ○○「まああっちでは油をそんなに使う訳じゃないからな、確かにきついかも知れない」 霊夢「でも、こっちの人間って不便よね。あたし達と違って空飛べる訳じゃないから こうやって乗り物に頼らないといけないし・・・」 ○○「そうかもしれないけど、このバイクは別だ。霊夢が空を飛んで感じる、風の流れを 同じように感じられる、良い代物だよ」 霊夢「ふーん。でもこのヘルメットとかあと上着?、とっても重くて面倒よ。 あーあ、幻想郷だったら空飛んで楽ちんなんだけどなー」 ○○「まあ物は試しって事で。そりゃ!」 そして俺はアクセルを回す。 ブロロロロオロ!ドクドクドクドクドクドク! ようやくエンジンが暖まりかかったようだ。 ○○「よーし、じゃあ信州の旅に出発だ・・・とりあえず神奈子様と諏訪子様がこっちに来ているって言うし。 しかししばらくこっちとお別れだが、良いのか?」 霊夢「まあ、こっちの旅も結構堪能したから良いわよ。それに良いお茶も一杯買ったし。 ありがと、○○」 ○○「ええ、どう致しまして。じゃあ俺が乗ったら霊夢、後ろに乗って」 霊夢「わかったわ。でもちゃんと運んでよ?」 ○○「霊夢が重くなければね」 霊夢「・・・こっちの世界でもスペカは実現可能よ?」 ○○「今回はお茶とかそういうのがあるからだよ」 霊夢「・・・もう」 赤と黒のアクセントが光る俺のモタード型XR400。 こいつも今でこそ手元にあるが既に生産が止まっており、いずれ幻想郷に流れ着くことは確実だ。 っていうより昨年からオフロードのバイクが続々香霖堂近くで確認できた。 香霖堂の店主、霖之助さんにはバイクというものがなんだか概念を説明したが、 バイクの修理を出来るエンジニアが幻想郷にはまだ流れ着いていないらしい。 しかし最近の常連、河童のにとりが興味津々に内燃機関をのぞき込んでいるのをよく見た。 河童集団が最近よく見られるのはそういうことなのだろうか。 いずれはエンジンを解析するに違いない。その時には幻想郷で乗り回せるかな? ガソリンが流れ着くか、わき出るかは微妙だけど。 そして、一番重要なこと。 それは俺が下界に次に戻ってくる保証もない・・・ 親父とお袋には旅に出ると行っておいたが、本当の事は密かに置いて来た手紙に記しておいた。 親不孝な息子でゴメンよ。 最後に一家で取った写真を1枚だけ、ポッケに忍び込ませる。 感傷に浸ってもしょうがない。 俺には霊夢という大事な存在がある。 それを守る為のエゴくらい、許してくれ・・・ じゃあ霊夢、行こうか。 ○○「よーし霊夢、しっかり掴まってろよ!」 霊夢「じゃあ帰りますか、博麗神社へ」 スタンドを外しアクセルを回す。 さて、目指すは長野のあの神社。 とりあえず旅の祈願とこちらに戻ってきた二柱へのご挨拶を経て、北信にて紫様と待ち合わせたのち 霊夢と一緒に幻想郷に戻る。 また神隠し扱いか・・・顕界にご迷惑をかけっぱなしだなぁ、アスファルトの光景を流しながら考えていると 霊夢「すごい・・・景色が流れて・・・何か風も見える・・・」 ○○「そうだろ?長野はもっと凄いんだぜ。とっておきを霊夢に魅せてやるよ」 霊夢「こういうのも、また悪くないわね・・・」 ○○「いつでも乗せてやるよ。霊夢が望むなら」 霊夢「・・・うん」 都内を抜けて高速道路に乗る。バイクは快調だ。 そしてやってきた諏訪。本宮と秋宮をそれぞれ参拝したあと、約束の前宮へ。 諏訪子「やっほー霊夢。良い神社でしょ-。湖とか温泉とか色々みていってよ-」 神奈子「まあ博麗神社もこれくらいの規模があれば、参拝客には困らないと思うが、どうかな」 霊夢 「・・・アンタら、幻想郷に戻ったら絶ー対ーぶちのめしてやるから」 ○○ 「オイオイ霊夢、物騒なことはやめろって!。こっちでは曲がりなりにも一の宮の神様・・」 霊夢 「そんなのアタシには関係ないわ。大体この前宮ってさっきの所と比べるとかなり貧相なところじゃない」 ○○ 「さっき見てきた神社2つに比べればそうかもしれないが、ここは4つで1つの神社なんだぜ・・・」 霊夢 「え、ええええ!?」 諏訪子「そうなんだよねー。○○、あとで春宮連れて行ってあげてよ。どうせ北に向かうんでしょ?」 神奈子「もちろん翡翠のおみくじは引いて帰ってくれ。きっと幸運間違い無しだ、○○」 ○○ 「諏訪子様、神奈子様・・・お心遣い大変痛み入ります・・・」 霊夢 「○-○-?!早苗みたいな言葉遣いして、あんたどっちのみーかーたーなーのーよー?!」 ○○ 「あああ、霊夢さん落ち着いて落ち着いて!俺は霊夢さんしか見てないから!好きだから!愛しているから! それに諏訪子様と神奈子様は神様なんだし!!」 霊夢 「な、な、なにどさくさに紛れて変な、ちょ、ちょっと、て、照れるじゃないのよ!!」 諏訪子「あれー、あの翡翠って縁結びの効果あったっけ-?神奈子-?」 神奈子「さあ。でもおみくじ引く前だから、関係ないんじゃないの?それにしてもお熱いこと。 私達も当てられそうだわ」 霊夢 「うーーーー、絶対あとでコテンパンに・・・」 ○○ 「ま、まあ、お、俺も悪かった・・・でも霊夢さ、さっきの言葉は、神様に誓って、嘘じゃないから・・・」 霊夢 「し、知らない!!ちょっと○○、こんな居心地の悪い神社、とっととおさらばするわよ! 諏訪子!神奈子!次にあったらアタシの奥義を見せてあげるんだから!」 ○○ 「失礼しましたー」 諏訪子「なんかあーうーのも、ちょっとうらやましいよね、神奈子」 神奈子「ああ、用事が終わったら留守番している早苗を連れて行ってあげるか・・・」 こうして俺は機嫌の悪い霊夢を道中なだめながら春宮に行き、そして宿泊地に向かった。 紫様との待ち合わせは木島となっていた。見せたい物があるらしい。 でも流石に諏訪から木島への道は長いので、今日は山田温泉で泊まることにした。 霊夢「あーさっぱりした。あそこの温泉って良い感じね」 ○○「古くから秘湯で有名だからね。ただ混浴がないのだけは残念なんだが(笑)」 霊夢「・・・もう、いやらしいんだから・・・」 ○○「でもどうだい霊夢、長野の風は」 霊夢「そうねー、何となくあっちの風に似ている気がする」 ○○「秋なんかは特に心地よい風が感じられるぜ。けど冬は雪が多いからこんな風を感じる事は出来ないんだ・・・」 霊夢「ふーん」 ○○「明日は山間の中を通るから、綺麗な景色がよく見られるよ」 霊夢「ほんとに?」 ○○「ああ、途中でおやき買って2人で食べよう。もちろんお茶付きでね」 霊夢「アンタにしてはイキなことするじゃない。じゃあせっかく買ったお酒で乾杯するわよ。昼間の分、付き合いなさい」 ○○「へいへい。ただ飲み過ぎてどうなっても知らないよ-」 霊夢「・・・・・別にアンタだから、良いんじゃないのよ・・・」 ○○「・・・・・」 俺は買ってきた真澄の生搾りに手を付けることにした。 ○○「あー、このキリッっとした感じがたまらないねー」 霊夢「外のお酒も美味しいものね-」 ちょっと紅潮した霊夢の顔がとても愛おしい。 ○○「霊夢、そんな離れてないで、もうちょっとこっちにおいでよ」 霊夢「も、もう・・・何しようって、いうのよ・・・」 ○○「二人で寄り添ってお酒飲むだけですが、何か」 霊夢「・・・・それだけで、終わらないくせに・・・」 まあ、こういう話も、悪くないわな。ではいただきまーす。 山田温泉でしっぽりしたあと、俺と霊夢を乗せたバイクは小布施を経由して中野に抜ける。 途中の小布施は今が栗の旬、故に栗強飯をお昼に食べる。 霊夢「あんまり強飯って食べたこと無いけど、結構美味しいのね」 ○○「ああ、今が旬だからな。もしかしたら穣子様と静葉様が途中立ち寄っていったかも知れないけどね」 霊夢「こんどあっちでもこういうのせびってみようかしら」 ○○「おいおい・・・」 そして中野を抜け野沢方面に抜け、俺はある古びた駅舎のある所にたどり着いた。 旧木島駅。 今はバス以外誰も見かけることのない場所。 そして、そこには約束通り、あの人がいた。 霊夢「なんでこんな所を待ち合わせの場所にしたのよ?」 紫 「あら、ご愛想ね。こういう所こそ待ち合わせに良いでしょ?誰も居なくて」 紫様が駅舎の前で突如実体化した。霊夢は気配で察知したらしい。 ○○「紫様、ご無沙汰です」 紫 「あら○○、久しぶりの外の世界はどうだった?」 ○○「はい、まあ色々と・・・」 紫 「そう、でも満更ということでも無いでしょ。霊夢をお友達に紹介し回ったのかしら?」 霊夢「紫!、そ、そこまで言わなくたっていいでしょ!」 紫 「あらー、ご名答のようですわね。妬けること妬けること」 ○○「からかわないで下さいよ紫様、確かに親や友達に自慢、いえ紹介しまわったのは事実だし。 霊夢「○○・・・もう・・・・」 紫 「その様子だと、”きのうは おたのしみ でしたね。”」 霊夢「・・・・!」 ○○「!?」 紫 「あらあらうふふ、初々しいわぁ」 霊夢「・・・・あとで覚えて置きなさいよ、紫」 ○○「は、はははははは」 しかしこんなやり取りをしていて、外の世界ではコスプレイヤー以外ではまず見られない ドレスと導士服を着こんでいる紫様を見ても誰もいぶかしげないのは、やっぱり賢者故の能力なのだろうか。 紫 「さて○○、いよいよ幻想郷に戻るときが来たようだけど、やり残したことはある?」 ○○「紫様、こいつとこのヘルメット2つ、家に戻しておいて下さい」 紫 「ずいぶんお安いご用ね。それだけでいいの?」 ○○「はい、もしかしたらあっちでご対面できる、かもしれない曰く付きのバイクですからね。 駄目になるなら家で駄目になって欲しいし・・・」 霊夢「○○・・・」 ○○「でも、最後に霊夢と一緒にツーリングできて良かったですよ」 紫 「そう、分かったわ」 ○○「よろしくお願い致します」 紫 「さて、じゃあ2人とも戻る前に、ちょっと見せたいのものがあるのよ。その駅の中に入ってくれないかしら」 霊夢「え?こんな古びた建物の中に?」 ○○「ここって既に廃線になっているところですよ?紫様でもご存知ですよね?」 紫 「だからこそよ。さあ、2人とも入って頂戴」 霊夢「何を考えているのかしら、紫は」 ○○「うーん」 ちょっと引っかかる物を感じながら駅舎の中に入る。 駅はホームだけが残り、構内はレールが取り払われ、雑草が怏々と茂る光景が目に映る。 霊夢「なによ、古びた建物と雑草が茂る所じゃない・・・」 ○○「そうだ・・・ってえええ?」 気が付いたら俺と霊夢は駅のレールの上に立っていた上に前から電車が近づいている。 霊夢「な、なによあれ、あれって」 ○○「ちょ、ちょっとこれって、霊夢ぅぅぅぅぅ!!」 反射的に霊夢を抱き寄せ、俺は目をつむった・・・ 紫 「はい、お疲れさま-」 紫様の声を聞いたとき、俺と霊夢は元の場所にいた。 霊夢「ちょっと紫!!冗談にも程があるわよ!こんな所でアンタのスペカ見せて○○になんかあったらどうするのよ!!」 ○○「あ、あれって確か・・・」 紫 「どう、実際の廃線「ぶらり廃線途中下車の旅」のスペカの感触は」 霊夢「え?アレって」 ようやく引っかかるものが取れた。 ○○「そうですよね、ここって長電木島線の終着駅。そしてアレは・・・」 紫 「○○が良く乗っていた地下鉄の電車。この駅と路線と共に、既に幻想入りした、古き良き思い出・・・」 ○○「そうですよね・・・」 紫 「○○、貴方は、また幻想郷入りすることによって、その存在がどんどん忘れ去られることになるでしょう。 それでも貴方はあっちに行くことに躊躇いがなかったか、ちょっとだけ試させてもらったわ」 ○○「紫様・・・俺は・・・」 紫 「それ以上は言わなくてもいい事よ。幻想郷は総てを受け入れる。それはとても残酷なことって、貴方も知っているでしょ?」 ○○「はい、もちろんです」 紫 「あの時、霊夢を確かに庇った。その事実だけで貴方の決意は十分理解したわ」 霊夢「ちょ、ちょっと、紫。どういうことなの・・・よ?」 紫 「あらあら、知らないというのは本当に罪と言う事だわ。全く貴方は本当にハクレイノミコの自覚があるのかしら?」 霊夢「アンタが勝手に話を進めているからでしょ-!!」 ○○「オイオイ霊夢、もう良いだろ。紫様は俺に本当にあっちに戻る決意を確認したかったんだ。俺は普通の人間だし スペカが使えるわけでもない。でも、だからこそ霊夢と一緒にいたいし、自分が忘れられても霊夢と一緒なら それでいい。そういうことさ」 霊夢「○○・・・」 思わずお互い見つめ合ってしまった。顔が赤い。 しばしの静寂のあと、 紫 「あー、お二人とも?そろそろ、いいかしらねー」 ○○「あ、はい」 霊夢「な、なによぉ・・・」 紫 「じゃあ、貴方たちを幻想郷に戻すわよ。いいかしら」 ○○「お願いします」 霊夢「さっさとやっちゃってよ」 紫 「私は残った仕事を片付けてからそっちに戻るから。それじゃまた後で」 そうして、俺と霊夢は上から来るスキマに包まれた。 現世の画像が歪み、幻となり、消えた後紫と目玉が多く光る空間に包まれる。 あんまりこの光景って好きじゃないんだけどなっー・・・ 気が付くと、俺と霊夢は神社の境内に立っていた。 霊夢「あー、戻ってきたわ-。何だかんだ言って、自分の家っていいわよねー」 ○○「そうだな」 霊夢「じゃあ、買ってきた荷物とか置いて、お茶にしましょ?アンタのオススメのこのおやきを食べながら」 ○○「蒸し器あるかい?蒸かし直すと美味しいんだよ?」 霊夢「えーと庫裡にあったかしら。ちょっと探してみるわ」 ○○「じゃあ荷物はやっておくよ」 霊夢「○○、お願いね」 霊夢は言った。「自分の家っていいわよねー」と。 俺の家はここではない。 けど、これから俺の家になる。そう思える気がした。 霊夢と暮らす幻想郷の話は、多分一杯書き留められる事になるだろう。 今はワープロが流れ着いている。阿求さんにも教えてあげよう、物語を書き連ねることを。 あと、俺と霊夢の話もね。 この紅い服の巫女が、俺の、永遠の巫女となりますように。 糸冬 旧イチャスレ上げた自分の作品を若干修正を施し、改めて上げなおしました。 Coahは便利さね、読むのには。 しかしもう2月なのに10月頃の話題のそんなSSで大丈夫か? あーでもバイク乗りてー。 信州また旅行して-、そして霊夢に乗(ry Megalith 2011/07/06 「――で、あなた達って、いつ結婚するのかしら?」 「「……だからありえないって」」 幾度目かわからない問い掛けに、幾度目かわからないまったく同じタイミングで回答。 意図はしていないのだが、何故かよくこうなる。 そろそろ煎じすぎて出涸らしな感が否めないが、なるものは仕方ない。 「そんな事言われてもねぇ。貴方達、一緒に何年も暮らしているでしょう? 皆"そういう"認識にもなるってものよー?」 頬に手をあて困惑を混ぜた苦笑いを浮かべているのは、 ここ幻想郷では知らぬ者がいないであろう、大妖怪の八雲紫である。 ……ゆかりっちと呼んだら蹴られた事は忘れない。絶対にだ。 因みに隣で俺とシンクロしやがったのは、博麗霊夢。俺の家主である。 ちらと見やると目が合った。おい何故俺を睨む。何も非はないだろうが。 「わたしがこいつとくっつくとか、天地がひっくり返ってもありえないから」 「……そいつにはまったくもって同感だな。地獄の閻魔が仕事をサボるくらいありえないぜ」 「あ、あらそう。なら聞くけど……その気がないならどうして一緒に暮らしているのかしら」 これまた幾度目か分からない問い掛けだな。二人揃って溜め息をつき、簡潔に回答する。 「「今更引っ越(させる)すのも面倒だし、二人なら家事の手間も幾らか省ける。利害の一致ってやつだ(よ)」」 幻想郷へ迷い込み、保護してくれた霊夢の家に居候になり、 もうどれくらい経ったっけか。三年?四年?忘れた。 里へ降りる話は何度も来ていたのだが、自他共に認める超面倒くさがりだった俺は、 引っ越すのを延ばし延ばしにしていた。しているうちに誘いも消えてしまい、今に至る。 俺と霊夢の関係は、そんな惰性の延長線上に存在していた。 段々頬を引きつらせていく大妖怪に疑問を覚えつつ、会話を続ける。 「で、買い物途中の俺達を呼び止めて何の用だゆかりっ「蹴るわよ?」――紫、さん」 「ああ、うん。そろそろまた宴会の季節ってことで、皆うずうずしちゃって……」 かく言う私も、と頬を掻くゆかりっち。 歳を考えろ歳と脳内で呆れていると、不意に左腋に痛みが走った。 痛みの元へ目をやると隙間が閉じていくのが見えた。野郎、思考まで読めるのか。 「アンタが解り易すぎる面してるだけよ。……で、場所貸せっていうんでしょ?」 俺を一瞥してから紫に視線を戻す霊夢。 そんなに分かりやすいのかと落ち込む俺の横で、どんどん話は進んでいた。 取り残されてはかなわぬと聞き耳を立てる。 ――日時は今夜。面子はほぼフルセット。暇人だらけだなオイ。 ――食材と酒は各自持ち込みか。咲夜ちゃんや苦労人こと鈴仙あたりが 過不足なくしっかり用意してくれるだろう。 ……そろそろ場所を提供する霊夢への謝礼の話だが……出番だぜ、俺。 聴覚から視覚へ優先度を渡してやると、両の掌をあわせて 分かりやすい"お願い"のポーズを取っている紫の姿が見えた。 何故かそういうポーズが似合うのはこの際気にしない。しないんだってば。 「というわけなんだけど――ダメ?」 「んー、"水道水"を三ぼ「六本だ」――またアンタは人の……はぁ、どうする?紫」 霊夢の出した甘めの条件を咄嗟に上書く。 ――こいつはとかく金品には疎いところがある。 自分が楽しけりゃそれでいいのよとは霊夢の弁だが、 少しくらいプラスアルファが出るように俺が口を出す毎日だ。 ……お前だって出がらしの茶ばかりは嫌だろう? うんざり気味の顔をした霊夢から視線を外し、ぐぬとたじろぐ紫相手に交渉を始める。 「さ、三本半で何とか」 「五」 「むむ……四!」 「四――と四半。それでダメなら余所を当たるんだな」 「むー……もう、仕方ないわね。それで手を打ちましょう!」 「おう、毎度あり。後で納品よろしくな」 高めに吹っかけて狙い目で落とすのは商談の基本だ。 半ばやけくそといった感じの紫と、営業スマイルの俺。 勝者は一目瞭然だ。 自慢してやろうと隣を向くと―― 「……話はまとまった? ほらさっさと買い物の続き済ませるわよ、○○……ぁふ」 ――すげえ退屈そうな顔した奴がいた。もれなくあくびつき。 得意げな気持ちも見る間に萎れていく。 ……そうだな、お前は昔っから興味の無いことに関しては ほんとどうでもいいってスタンス取る奴だったな。 畜生。 「……ああ、終わったよ。終わりましたよ。そんじゃまたな、紫さん」 「あっ――紫も食材くらいは持ち込んでよね? 咲夜あたりが何とかするだろうけど、うちはそんなに余裕ないから。 それじゃ、また後で」 ひらひらと別れの挨拶代わりに手を振り、歩きだす。 それに気付いた霊夢も手短に挨拶を済ませ、直ぐに隣に駆け寄ってきた。 「置いてくなばか」 「すまんすまん。……なあ、買い出し、何残ってたっけ」 「アンタ、それわたしに聞くの何度目?」 「さて、忘れちまったなぁ」 「三回目よ。……まさかもうボケが……」 「うっさい。大体俺はまだ二十代で――」 喧々囂々と尽きぬやり取りを繰り広げながら歩いていく二人を見、 一人残された紫はぽつりと呟いた。 「……どうみても仲のいい恋人か夫婦にしか見えないのよね。 私の目も曇ったのかしら……」 「「「かんぱーい!」」」 時は過ぎて夜の境内。 最初の音頭を取るだけ取り、後は皆好き勝手に騒いでいる。 俺はというと、霧雨の嬢ちゃんや各界の大物といった 馴染みの面子に一通り挨拶だけ済ませた後、一人裏手の縁側でくつろいでいた。 「騒ぐ酒も悪かないんだがな」 やはり静かに愉しむ酒は旨い。 あそこにいると愉しむよりも騒がしさが先に立ってしまう。 なんとなく静寂に浸りたかった俺は、酒瓶片手に退散していたのだった。 脇に置いているのはお察しの通り"水道水"。 盃をくいと傾け残りを煽り、頭上に輝く月を見上げ―― ふと人の気配がしたので視線だけ動かす。 そんな気はしていたけれど、やはり霊夢がきていた。 「あ、やっぱりここにいた」 「いちゃ悪いかよ」 「べーつにー。ただ、もう少し位皆の相手しなさいよね。 もっと話を聞きたいって人達もいるんだから…… 紫に関しては、アンタが秘蔵の酒をふんだくったせいで荒れてたけど」 「あー、開始した時からジト目で睨まれてたから予想はしてた。 しかし、お前もこっちに来たって事は落ち着いたのか?」 「全然。付き合いきれないわよあんなの。 どうせ暴れて幽香あたりに沈められて終わりじゃない?」 心底面倒臭いといった風に肩を竦める霊夢。 お前、自分の後見人的人物になんちゅう…… 「隣」 「勝手にしろ。ただし盃は一つしかない」 「ん」 呆れ顔の俺なぞ見なかったかのように、隣にすとんと腰を落とす。 「月がきれー……」 「……だな」 「お饅頭みたい」 「いや煎餅だろ」 「えー」 他愛ない会話を聞きながら、酒瓶を手に取り盃を満たす。 ……つまみか何か拾ってくればよかったな。失策だ。 「あ、早速飲んでる。なくなっちゃうじゃない」 酒瓶のラベルを見咎めた霊夢が口を尖らせる。 「お前らと違って俺はゆっくり飲むから問題ない。 そもそもお前と二 三で分けたろうが。これは俺んだ。」 ただでさえいつも分け前は多めにしてやってるってのに。 これ以上俺から何をむしり取ろうってんだ? 「アンタの物は半ば私のモノだし。ちょっと味見ー」 「あ、おい!」 言うが早いか、霊夢は俺が手に持っていた盃にぐいと身を乗り出し、 こくこくと先程注いだ酒を飲み干してしまった。 「ぷは。んー、やっぱり美味し」 必然的に近くなってしまった距離から、幸せそうに頬を緩める顔を見て、 ――黙ってりゃ可愛いのに。 なんて昔零した事を不意に思い出した。 「つまみないの?つまみ――○○、どうかした?」 目の前に突き出される、さらさらした黒髪、 芯が強そうだがまだ少し幼さを残す瞳、すらっとした鼻筋、柔らかそうなくちび―― ええい、落ち着け俺。 「……いや、何でもない。つまみは品切れだ。残念だったな」 「ふーん、そう……ならいいわ」 それほど重要でもないのだろう、どうでもよさそうに相づちを打つと、 また霊夢は俺の隣にちょこんと座った。 視界から麗夢が消えたことで幾らか落ち着きを取り戻す。 こいつにはもうちょっと慎みって奴を教えなければならんらしい。 出会った頃からちっとは淑やかさを身に付けたかと思ったが、まだまだだな。 「……ね」 「ん?」 右肩に僅かな重みを感じた。 「今日で、五年目」 「……もうそんな経ったか。つかよく覚えてんな」 幻想入りをした当人が既に忘れかけているのだが、彼女は律儀に覚えているらしい。 「何となくかしら……うん、何となくよ」 「そうか」 「別に出会いが衝撃的だったからというわけじゃないからね」 「はいはい」 「むー……その言い方、ちょっとむかつくわ。てい」 「ぎゃーす」 ぽかりと威力のない拳が飛んできた。 三発目あたりでミットに収めるように、左手で受けとめる。 「……ねぇ、○○?」 「何だ?」 左手の中で拳が開かれ、俺の指に小さく絡む。 「……天地が一回転したら、わたし達はどうなるのかしらね」 「――サボった勢いそのままに辞表も提出、ってか」 「そ」 お互い何を言いたいかは分かっている。伊達に長い付き合いしてるわけでもない。 ――隣にいる霊夢。 まだ俺の胸元位までしか背の無かった彼女は、今では俺の肩より上になる位までに成長した。 ガキだガキだと思って、意識しないようにしていたが―― 「"私"はもう、子供じゃないよ?」 「っ」 考えを読まれたような気がして、思わず霊夢の顔を見る。 怒っているわけでもなく、ただじっと俺の顔を見る、一人の女の顔がそこにあった。 「出会った頃の、聞き分けのないガキじゃ、もうないんだからね」 「すまん」 「貴方の隣に並び立てるくらいは、大きくなったわ」 「……そうだな」 絡み付く指を優しく握り返し、右手で彼女を抱き寄せる。 「お前ももう立派な大人だよ。……だから、漸く言える」 「そうね、私もずっと温めて来た気持ち、漸く口に出来るわ」 「「……好きだ(よ)」」 ――初めてのキスは、アルコール臭かった。 翌日。 太陽がまだ低いうちではあるが、至って普通に目が覚めた。 何も変わらない、いつも通りの朝だ。 強いて違いを挙げるならば、あの後宴会場を一人で片付けた為、体の節々が痛いくらいか。 「くぁ……んぎぎ」 草履を履いて、庭で思い切り背伸びをする。 ごきごきと体の節々が快音をあげた――うん、気持ちいい。 「おっさんくさー……ぁふ」 開け放っていた襖から、目を擦りながら霊夢が姿を覗かせる。 「うるせぇ。お前もやってみれば分かるさ。存外気持ちいいんだぜ?」 「んー……そうねー……」 よたよたと眠気を隠そうともせず、庭へ出てくる霊夢。 危なっかしい足取りで俺の隣へ来たかと思うと、 「ん~~――ぁ、あら?」 盛大に伸びをした反動か、バランスを崩してしまった。 咄嗟に手を伸ばし、抱き抱えるようにして支える。 「思い切り良すぎだバカ」 「……えへ、○○ー」 驚いた顔をしていたのも束の間、蕩けた顔のまま俺に抱きついてきた。 いや、あの、うん。こいつ誰? 昨日からのあまりの変わり様に、軽く思考が停止しかける。 「……昨日、途中から姿消してたから何かやっていたことは予想してたけど……」 腕のなかのやわらかい感触を持て余していると、不意に横合いから声がした。 「一体何が起こったの?○○……」 困惑やら驚愕やら色々な感情をミックスした顔をした紫が、隙間から顔を出していた。 「あのね、紫、知ってる?」 俺から離れようとしない霊夢は、顔だけ紫に向けるとこう言った。 「昨日、天地は二度ひっくり返って、一周したのよ?」 「……だそうだ」 口を塞ぐことも忘れた紫と、立ち尽くす俺と、俺にしがみつく霊夢と。 あんまり普段と変わらない気はしたが、俺の腕の中の温もりだけが、少しだけ違って感じた。 後日、「ついに」とか「やっと」とか、そんな修飾子がふんだんに使われた状態で 俺たちの挙式が新聞記事となるのだが、それは別段話すような事でもないので割愛させて頂く。 今が少女なら、数年経てば彼女らも立派な女性になるはずなわけで。 妄想の勢いのままに書き散らかしてしまいました。 改良すべき点などありましたら、どんどんご指摘くださいませ。 Megalith 2012/02/14 今日は2月14日 外の世界ではバレンタインデーと呼ばれる日だ。 その日は自分の愛する異性に日頃の感謝を込めた贈り物をする。 近年の日本では、女性から男性へチョコ等の甘いものを贈るのが一般的になっている。 と言っても、幻想郷にそんな風習はない。 幻想郷に来てから二年が経つが、そんな素敵なイベントは起きたことがない。 「随分と気の抜けた顔してるわね○○」 なんてことを考えていると、一人の少女が俺の家を訪ねてきた。 彼女は『博麗 霊夢』 幻想郷の異変を解決するスゴ腕の巫女さんだ。 霊夢との付き合いは二年前、俺が幻想郷に迷い込んだ時からだ。 記憶も曖昧に幻想郷を彷徨っていたところを彼女が保護してくれたことが切欠だった。 保護されてしばらく一緒に暮らした後に、俺は今住んでいる人里はずれにある家に移った。 住居を移った後も彼女との交流は続いている。 「おぉ霊夢か、どうした急に」 「近くに来たから寄ってみただけよ、上がっていい? 」 「別に構わないけど… 」 突然の来訪に驚いたものの、霊夢を家に上げる。 普段は俺の方から彼女の神社を訪れるので、彼女から訪ねてくるのは珍しいことだった。 「今日は良いお菓子があるの」 「……明日は大雪か」 「どういう意味よ」 珍しいことが重なるものだ。 いつもはお金にうるさいドケチの霊夢が手土産を持ってきたと言うのだ。 天変地異を疑いたくもなる。 「待っててくれ、今お茶を淹れるから」 「出涸らしは嫌よ」 霊夢を居間に座らせ、俺は台所へお茶を淹れにいく。 珍しいことが重なったとはいえ、今はまだ平和な日常だ。 まだ慌てるような時間じゃない。 「相変わらず質素な家ね、ちゃんと暮らせてる? 」 「住めば都だ、余計なものは必要ない」 「ふ~ん」 お茶を淹れて戻ってみると、霊夢が持ってきたお菓子を広げていた。 俺の家への感想も言っている。 ボロ家で何が悪い。 「おっ、美味そうなおはぎだな」 「私の手作りよ、ありがたく頂戴しなさい」 「そりゃありがたいな」 霊夢が持ってきたお菓子は『おはぎ』だった。しかも手作り。 甘そうな餡子が食欲をそそる。 「それじゃ、いただきます!」 「召し上がれ」 早速お茶と共にいただかせてもらう。 やはり和菓子にはお茶が一番。 「美味いな」 「そう? 気に入ってくれてよかった」 俺がおはぎの感想を述べると、霊夢が笑顔を浮かべる。 その笑顔にドキッとしてしまったのは内緒。 「しかし、どういう風の吹きまわしだ? 」 「えっ? 」 「いや、霊夢が手土産持って俺のところに来るなんて珍しいからさ」 「あら、私の好意が迷惑だった? 」 「迷惑ではないけど、なんか調子狂うな… 」 俺の知っている霊夢はいつも我が道を行く人間だった。 それも邪魔する者は全て蹴散らしていくぐらい、周りを寄せ付けない強さを持った。 その霊夢が突然こういった形で好意を向けてくることに違和感を感じざるを得なかった。 「まぁ強いて言うなら、たまには素直になってみようかなって… 」 「どういうことだ? 」 「分からないならいいわ」 「なんだそりゃ」 そんなやり取りがあった後、霊夢が帰る時となった。 「今日はありがとな、美味しいお菓子貰っちゃって」 「いいのよ別に、残りもちゃんと食べてね」 「あぁ、それじゃまたな」 「○○! 」 玄関先で別れ家に戻ろうとしたその時、突然霊夢が俺を呼びとめた。 「どうした霊夢? 」 「ハッピーバレンタイン! 」 そう言い残し、霊夢は飛び去っていった。 俺はしばらく呆気にとられた後、ようやく意味を理解した。 「あいつ、なんで急にお菓子なんて持って来たかと思えば… 」 スキマ妖怪あたりの入れ知恵だろうか。 こちらの世界にバレンタインはないと思って油断していた。 とにかく今は家の中に戻って、残った霊夢の好意を味わうとしよう。
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「ご馳走様」 「はい、お粗末様」 開け放しの窓に掛けられた簾を白南風が通り抜けるようになった頃。 くだんの通りに夕餉を終えた僕らは二人して両手を合わせた。 今日のメニューはペペロンチーノ。 シンプルゆえに料理人の腕前がハッキリと分かる一品である。 これはこの前僕が一時的に元の世界に行った時に買い溜めしておいたパスタを使って調理したものだ。 パスタは種類も豊富で幾らでもアレンジが効くから、飽きないし便利なのだ。 霊夢は以前どれも同じ麺じゃないの、と言っていたがそれは偏見というものである。 マカロニだってラザニアだってパスタの仲間だ。 侮るなかれ。 たかがパスタ、されどパスタ。 パスタを笑う者はパスタに泣くのだ。 グルテンが豊富だからと言って舐めていると痛い目を見るのである。 因みにスパゲッティとスパゲッティーニは別物なので注意が必要だ。 「にしても、結構辛いわね。これ」 汗を掻いたのか、霊夢はただでさえ面積の少ないその巫女服をパタパタさせて風を呼んでいた。 僕の前でなら慣れたものだが、一応女性であるからそういう行為は余所では謹んで欲しいものである。 言っても無駄なのだろうけど。 「夏だからこそ辛いものを食べないとね。健康に良いし」 食器を片しながら霊夢に諭す。 だが当の霊夢はうー、とかあー、とか呻きながら寝転がっていた。 どうやら彼女は夏に汗を掻くことの素晴らしさを理解してないと見える。 勿体無いなあ。 行儀悪いなあ。 何だか僕が戻ってきて以来、霊夢のだらけっぷりが輪にかけて悪くなった気がする。 僕が会う以前のことは知らないが、少なくとも最近は退化の一方だ。 大丈夫なのだろうか、この失楽園の素敵な巫女さんは。 ていうか人の話聞こうよ。 食器も大方片付け終わり、改めて霊夢に話し掛ける。 一方の霊夢は何やら上半身を起こしながら腹筋の運動めいた事をしていた。が、挫折。 一応運動はしようとしているようだ。諦めてるけど。 「このパスタの中に入れた唐辛子にはカプサイシンっていう辛味成分が入っていてね。 発汗を促進する作用があるからダイエットにも最適で今の霊夢にもぴったrはぐぅッ!!」 居間で寝転がっているはずの霊夢が玉串をこちらに向かって投擲してきた。 どこにあったんだろう、玉串。 前々から思ってたんだけど本来の用途から凄くかけ離れてると思うんだ、玉串。 勢いをつけた凶器は寸分違わず僕の眉間を貫く。 その時に響いたスコーンという気持ちのいい音が僕の頭の中限定でハウリングした。 そして僕は短い悲鳴を上げて後ろへ倒れた、というか吹き飛んだ。 なんつー恐ろしい性格と腕をしているのか。 ていうか聞こえてるじゃん。 「女性にとっては気になるかもしれない事を容易に口走るんじゃないの」 相変わらずやる気のない目に、僅かな殺気を孕ませて話す。 そう言うって事は気にしているって言ってるようなものじゃないか、とは言えなかった。主に痛みの所為で。 「いや……ただ、言っておいた方が役に立つかと……痛たた」 じんじんと痛む額を摩る。 触れると中々に痛いことから恐らく内出血はしているだろう。 「余計なお世話よ。それほどでもないわ」 「でも最近霊夢弛んでたからさ……大丈夫かなと思って」 心配していたのは事実である。 ただその不安が向けられた方向は身体的なものに限らず生活全般においてだが。 「全く……私も軽んじられたものね。じゃあ、」 束の間の後、霊夢が一旦言葉を区切り立ち上がる。 はて、一体何をするつもりなのだろうか。 一方で僕は未だに額を押さえていた。あ、コブ出来てる。 「確かめてみる?」 何時の間にか訪れていた静寂の中、衣擦れの音が、響く。 霊夢はその顔に艶やかな笑みを湛えていた。 「ん、そうだね。それなら確実だ」 そんな彼女の誘惑から僕が逃れられるわけもなく―――― 「ちゃんと確認しなきゃダメよ?」 僕の体は吸い寄せられるように彼女の方へと近づき―――― 「大丈夫、任せといて―――んっ」 ――――そして影はひとつになる。 開け放しの窓に掛けられた簾を白南風が通り抜けるようになった頃。 くだんの通りに夜餉を迎える僕らは二人の両手を合わせた。 「っふぅ―――――暑い夜に、なりそうね」 「全くだ」 どちらともなく見詰め合い、お互い同時に苦笑が零れる。 まだこれからが夏本番。 夜はゆるりと更け始めた―――― 「ふふふふふふふふ、普段から仲睦まじい二人の事。何かあるのではと見張っていましたが……これは大当たりですねぇ」 「あらあら、楽しそうね」 「そりゃあもう…………って、ほあぁぁっ!?」 「あら、とんだ御挨拶ねぇ。人の顔見た途端奇声を上げるなんて」 「いや奇声って……って、それは兎も角!失礼しm」 「はいはい、一名様スキマごあんなーい」 「い゛!い゛やあああぁぁぁぁ~……」 「全くもう。やあねえ、覗き見なんて。 さてさて、出歯亀は片付いたことだし帰りましょうか」 「ふふっ。幸せにね、霊夢」 6スレ目 490 ─────────────────────────────────────────────────────────── クリスマスクリスマス… 皆騒がしいけど我が神社にはかんけいn 霊夢さん、何ですかその服は 霊夢「え?ああ、ほら。サンタクロースっての。あれも紅白だし暖かそうだから着てもいいかなぁって」 紅白なら何でもいいんですか いや、問題はそこじゃない 問題はその ミ ニ ス カ です 霊夢「だって…紅魔館に紫もやしみたいな奴が居るんだけどね、そからく女性のサンタクロースってのはこーゆー服だって聞いたから…」 OK,色々間違ってるがそのおみ足を拝めただけでもう全て許せる ああ、名も知らぬ紫もやしの人万歳!!クリスマス万歳!!生足万歳!! 霊夢「ちょ、○○!?鼻血出てるわよ、大丈夫!?」 ばんざーい!!ばんざーい!!ばんじゃーい!! 霊夢「○○!? ○○!?」 6スレ目 573 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「あんたも難儀よね」 「ん?」 「その性格」 「何のことやら」 「…本当に何のことやら。って顔してるし。はぁ、自覚が無いってのは恐ろしいわ」 「ふむ。じゃあ霊夢から見た俺は何処が難儀なのかね。気になるぞ」 「割と他人事じゃないのよね、カタチは違うけど。自分の核心には触れさせてくれないし他人の核心にも触れないって感じ」 「俺としてはそんなつもりは無いけどな。…あぁ、だから自覚が無いと」 「うん。あんた、よく他人の愚痴とか聞いてやってるけどさ。自分から愚痴った事なんてあったかね?」 「………ふむ。まったく記憶に御座いませんな」 「でしょ?つまりね、他人に心を委ねようとしないって事よ」 「ふむふむ。…俺が見た限り、霊夢も同じようなもんだぁな」 「まぁちょっと違うけど、大体同じね。愚痴ったりはするけど、やっぱり特定の誰かに心を委ねようとは思わないし。何でかわからないけど」 「で、それによる弊害っつうとー」 「まぁ、親友や恋人と言える人を作るのは難しそうねー」 「ふむ、魔理沙とかはどうなんだ?」 「あ~。…一応親友のカテゴリに含めてもいい気がしてきた。でも異性となるとアレだ」 「下手すりゃ生涯独身ってか。生物としては大問題だ」 「そうねー。ほら、私も跡継ぎとか遺さなきゃいけない身だから。そこらへん割とシャレにならない問題だったりするのよ」 「それは難儀だねぇ」 「まったくだ。このままじゃ大人になってもお嫁さんにはなれそうに無いわね。…貰ってくれますー?」 「遠慮しとくぜ」 「むー、即答されたわ」 「博麗の巫女がどっかに貰われちゃ不味いだろ」 「あ、そっか。…貰われてくれる?」 「考えておくよ」 「夜も更けてきたことだし、そろそろ俺帰るわ」 「ん。それじゃあ、またね」 6スレ目 607 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「れ、霊夢ッ!?」 「……ん、どうしたのよ、血相変えて」 「どうしたのじ、じゃないだろ!?人里で突然倒れて、永遠亭に担ぎ込まれたって聞いて……!! あ、ああほら顔色悪いじゃないかッ!!」 「えーと……ほら、朝たまたま食欲なかったから」 「お前が食欲無いって時点で充分病気だったんじゃないかっ!! ああもう御免な……気付いてやれなくって……ッ」 「あ……えー」 「そうだ、診察結果はまだ出て無いのか!?永琳さんからはまだ何も!?」 「(もじもじ)あー……うん、もう話はしたから。一晩入院。留守番は魔理沙と萃香と妹紅がしてくれるって」 「そ、そうか、そんなに重いわけじゃないのか、良かっ」 「(つーん)……良かない」 「え」 「誰のせいだと思っているのよ」 「う……ぁ」 「あ、あああ御免、責めてるんじゃなくて――ったくほら泣くな」 「うう、ぐすっ、い、いや、すまん」 「誰かさんがあんまり甲斐甲斐しいんで、神社が住みよくなっちゃったのかしらね」 「……?」 「年末辺り、また一人転がり込んでくるのよ」(ぽむぽむ) 「――は?」 「は?じゃないわよ。当分の食い扶持を何とかしないといけないんだから。 ――頑張ってね、『お父さん』?」 7スレ目 120 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「それで、どうするの?」 いつもと変わらない口調で俺に問いかけてくる霊夢。 まだ目立っては見えないが、彼女のお腹の中には新しい生命が宿っている。 「俺が育てるよ」 「そんなの分かってるわよ、あんたはともかく私は巫女だもの。 誰かに子供を授けることはできても、誰のお嫁さんにもなれないから」 分かってる。 以前に霊夢本人から聞かされた事だ。 「他にお母さんの宛てでもあるのかしら?」 「無い。だから、俺が一人で育てる」 「不幸になるのはあんたじゃなくてこの子なのよ?」 「幸せにしてみせるよ、絶対」 「そう」 そっけない生返事を返しながらも、霊夢は自分のお腹のあたりを撫でていた。 「……大きくなったら、一度でいいから神社に連れてきてね」 「流石の霊夢でも気になるんだな」 「当たり前でしょ? 私がお腹を痛めて生む初めての子だもの」 「じゃあ毎日霊夢の事を話すよ。どんな性格で、どんなものが好きで、どれだけ幻想郷の為に頑張ってるか。 繋がりのない母親と一緒にいるよりきっと立派に育ってくれる。霊夢みたいに、強い子になってくれると思う」 「そう」 またも気のない生返事。 静かになった部屋に薫風が流れ込んで、篭もった空気を散らしてくれる。 「……博麗の巫女の代替わりまで、二人だけで待っていられる?」 俺は「待つよ」とだけ答えた。 風の音に紛れて、小さなありがとうの声が届く。 7スレ目 121 ─────────────────────────────────────────────────────────── で、代替わりして戻ってくると。 「れ、霊夢……」 「あら、魔理沙じゃない、何年ぶりかしらね。まだ魔女やってるの」 「魔女だぜ。……で、ひとついいか?」 「何よ」 「今お前が抱いているのは、お前の子だよな」 「ええ」 「さっき、玄関で大きいのと小さいのと会ってきた。……なんか増えてないか?」 「ちゃんと『お母さん』してみたいなあ、って頑張っちゃった。てへっ」 「歳考えろ歳。で、その頑張った旦那は?」 「今日も畑に寺子屋と、働き盛りよ」 7スレ目 122 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「なあ霊夢」 「なに?○○」 「・・・好きだ」 「○○が好きなのは魔理沙じゃないの?」 「なぁ!?なんでそんなこと言うんだよ!!」 「だっていつも魔理沙と話してる時嬉しそうじゃない!」 「そんなことない!俺は本当に霊夢の事が好きなんだ 妖怪に襲われて助けてもらったあの時から!!」 「ったら・・・だったら本当に私が好きなら抱きしめて 壊れるぐらいに貴方が・・・○○が私から離れないように」 ぎゅっ 「それぐらいお安い御用だよ、で返事は?」 「・・・馬鹿////嫌いだったら抱きしめてなんて言わないわよ 好きよ○○、大好き、愛してるんだから」 「ありがとう、霊夢」 7スレ目 210 ─────────────────────────────────────────────────────────── 霊夢「浮気してもいいわよ? ちゃんと私を見てくれるのなら」 ○○「……霊夢」 魔理沙「……と、霊夢は言っている」 ○○「うおっ!?」 萃香「……が、しかし」 幽香「万が一、ということもあるわ」 霊夢「ちょ、あんたら人の濡れ場に何勝手に――」 アリス「ええ、余所の女に現を抜かして、霊夢を蔑ろにするような事があれば」 レミリア「もしも、彼女の枕が涙で濡れる事があろうものなら」 紫「博麗大結界と閻魔様――そして霊夢の涙に誓って」 レミリア&幽香&萃香「――私達は貴方を八つ裂きにする」 紫「月の都に『○ぁっきん・るなてぃっく』と書かれたシャツ一丁で 特攻させてやる」 アリス「そして『シリー・ウォーク』とかいうとれんでぃな歩き方で、 正気を失うまで幻想郷中を歩き回らせるわ。人形みたいに」 魔理沙「勿論稗田家にも記録してもらう」 レミリア「しまいにはアームストロング砲に300kgの爆薬と一緒に詰め込んで発射」 幽香「汚い花火になるでしょうね」 霊夢「え、えーと、流石に其処までは――」 紫「御免なさいね霊夢。でもこれだけは貴女の保護監督者として 言っておきたいの」 レミリア「私も、下劣な男に霊夢を取られたなんて思いたくも無いからな」 萃香「で――どうなのよ駄目亭主」 ○○「い、いや……滅相も」 幽香「あ゛ぁぁぁぁぁぁん゛ッ!?はっきり言わんかい!? はっきりせんとその小汚いモン蹴り潰すわよ!?」 ○○「アイ・メム!!しかと胸に刻みました!!メム!!」 「「「「「「よろしい」」」」」」 霊夢「浮 気 前 提 で 脅 す な ッ!!!」 「「「「「「すみませんでした!(断末魔)」」」」」」 ――陰陽散華-Lunatic- 霊夢「ったく……ねえ○○」 ○○「お!おおぅ!何だ霊夢!何かあるか!?」 霊夢「私ってさ、何だかんだで魔理沙よりズボラだし」 魔理沙in壁に耳「(そこで私を引き合いに出すか)」 霊夢「アリスよりツンばっかりで、しかもデレられないし」 アリスin同上「(ツンって何よ……?)」 霊夢「レミリアよりお転婆な事もするし」 レミリア「(人間でソレ出来るのが恐ろしい)」 霊夢「幽香より少女趣味だったりするし」 幽香「(なら袖をやめれ)」 霊夢「ウワバミだし」 萃香「(そーいえばこないだ文に勝ったね)」 霊夢「トドメに紫みたいにネボスケだったするし」 紫「(昼まで寝てるのを堂々と見せるのは乙女として……ねえ?)」 霊夢「やっぱり……そんなに魅力ないのかしらね」 (がばちょ) 霊夢「きゃあッ!?ちょ、貴方いきな――んー!?」 ○○「――あのなあ、霊夢」 霊夢「んは、何よ!?いきなり」 ○○「前からそうだが――特に今。俺には可愛すぎる」 霊夢「へ?」 ○○「何が浮気だ。今お前以外見えない」 霊夢「――」 ○○「なのに魅力が無いなんていうのなら――」 霊夢「え、あ、ちょっと待っ、多分あいつら外――んっ!」 ○○「黙る気になった?」 霊夢「ぁ……だめ、多分泣いちゃう」 ○○「泣いているのも可愛い」 霊夢「じゃあ、泣いちゃうから―― せめて、可愛い声で泣きたい」 ○○「……やばい、直撃した」 霊夢「なぁ!うぁんっ――待ってこんな格好――」 ――ぱちん(スキマが閉じられました) 魔理沙「……こ、これは(赤面)」 アリス「な……何というか(もじもじ)」 萃香「あー……何か熱いね(ぱたぱた)」 幽香「そうね、呑みに行く?(いそいそ)」 レミリア「……冷酒がいいわね(ごくり)」 紫「じゃあ、私の奢りと言う事で。 本当に――アツアツですわ」 7スレ目 240-241 244へ。やれるものなら某佐山級にグレイズしまくりたいが これがこの板その他諸々の限界だ!後は幻視してくれ! 紫「さて○○、霊夢を(違う意味で)泣かしているわけだけど」 ○○「ああ、弁明は無い。だが敢えて言うのなら、だ」 紫「はい?」 ○○「あれ以来、霊夢はよりアクロバティックな挙動とマーヴェラスな戦術を 次々に覚えていってなあ。いやあ実に『良い』ね。 才能もある。俺の想像内でしかない挙動を明瞭に再現してくrごきゃ)ぱうあ」 霊夢「あ ん た ね え ッ !?(赤面)」 紫「あらあらタイじゃなくて首が曲がっているわね。 それにしても――」 霊夢「何よ」 紫「出来てるみたいじゃないの、『デレ』」 霊夢「……夫婦になるなら……どうせ経験する事なんだから…… その、えーと……『良い』方が良いでしょ?お互いに……色々と」 (ごにょごにょもじもじ) 紫「おやまお熱い。果たしてどんなマニューバなのかしr」 「こうか!博麗ドライバー!!」 「(ぽきぃっ)ぺぉあ」 霊夢「ったく……ほら○○、首が曲がっていてよ(べき)」 ○○「げぁお!こ、殺す気か!」 霊夢「喧しい!ほら、罰として掃除!」 ○○「へ、へーい畜生ー(すたこら)」 霊夢「……そろそろ、また新しいの覚えよう…かな……(もじもじ)」 7スレ目 245 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「雨だなぁ」 「雨ねぇ」 しとしとぴっちゃん。そんなフレーズが過ぎりそうな、表の雨模様。 幻想郷の開花、折角の春模様。そんな景観を台無しにしてくれる大雨だった。 表から響く雨音に耳を傾けながら、淹れたばかりのお茶に口を付ける。あぁ、美味し。 向かいには、退屈そうな半目でちゃぶ台に顎を乗せた霊夢が。朝からずっとこんな調子だろうか。 そら、明日は花見にでも行こうか、と話していた矢先にこれだからな。憂鬱に成るのも無理は無い。 「……その内止むだろ」 「その内、ねぇ。そのフレーズ、聴いたの五回目かしら。六回目かしら?」 「あー、止まない雨は無いって言うもんだけど」 「桜が散っちゃうじゃないぃー……」 バタバタと屋根から聴こえる雨音は、雨足を緩めずに無機質に。 障子の隙間から見える桜は、雨に濡れて心なしか艶やかに見える。舞い散る花弁が、まるで季節外れの雪のようだ。 まあここ幻想郷だから、小高い山辺りには多少雪が残ってると思うけど。 「ある意味、これも春じゃない?」 「まあ、そうだけどねぇ……」 はぁ、とため息が聴こえた。そりゃあ、この天気じゃ霊夢じゃなくても退屈するだろう。 朝から読んでいた、神社の社務所に置いてあった妙な本達も、そろそろ底を尽き始めた。と言うか、 字が難しくて読めるものがあんまり無い。おまけに埃だらけで、手を付ける気に成れない物もたくさんあった。 まったく、霊夢の代ではこんな本を書く事も無さそうな気がするぞ。 御阿礼の娘が書くから良いの、とか霊夢は言ってたけど、どういうこっちゃ。 「こんな春があっても良いんじゃないかな?」 春雨、と表現するには強すぎるが、軽快に響く雨音は耳に心地良い。 雨音に限らず、自然にはたくさんの美しい音色が隠れている。それが晴天の時でも、曇天の時でも。 だが、霊夢にそんな情緒を感じる余裕は無いようで。 「いーやーよー。最近運動もしてないし、散歩ぐらいはしたいわ」 「どうせ飛ぶだけ飛んで結局その辺で昼寝するくせに何を言」 あれ? 何だか目の前が急に真っ暗に成ったよ? あぁ、俺布団に突き刺さってるのね。 気付けば霊夢にすっ飛ばされ、襖の向こうの布団に頭が突き刺さっていた。いやぁ、人間って真っ直ぐ飛ぶんですね? 「……こ、殺す気かっ!」 どこぞの漫画よろしく即座にツッコミを入れる俺だが、霊夢はニヤニヤと意地悪く笑うだけだ。 「運動がてらよ、運動がてら」 「こんな運動があってたまるか!!」 「こんな春もあっても良い、って言ったのはどっちなのよ」 そう言う意味じゃ、と言いかけた俺の唇にスッと指を当て制止する霊夢。 艶かしい笑みを浮かべたその顔は、俺でなくとも、人妖の境さえも越えて誰しもを惹き付けるモノだと思う。 「それじゃあ、こんな春はどうかしら?」 「……あぁ、勿論大歓迎だ」 世の中には色んな春がある。それは幻想郷も同じこと。食欲だの読書だの芸術だの、考えれば幾らでもある。 どれにも共通するのが、楽しまなきゃ損って事。 「春だなぁ」 「春ね」 こんな風に、二人で楽しむ春だってあるもんさ。 きっと、大勢で騒ぐ宴会のように熱く、そして騒ぎ終わった後のように静かに。 ま、宴会に比べりゃ後片付けは楽かもな。 「よーっと、雨宿りに来てやっ……」 『……あ』 お粗末。 7スレ目 285 ─────────────────────────────────────────────────────────── なんとなしに月を見ながら霊夢と会話 「なー霊夢、霊夢はGWどうするんだ?」 「私?私は基本的に神社からは離れられないわよ」 「それってつまらなくないか?」 「いいのよ、だって○○が居るじゃない ずっと一緒に居てくれるんでしょ?」 「え?あ、ああ///ずっと一緒に居てやるよ」 7スレ目 306 ─────────────────────────────────────────────────────────── うららかな昼下がり。 いつもの里での仕事が終わった俺は、住まいの博麗神社へ。 並み居る敵をちぎっては投げ、ちぎっては投げして手に入れた、 愛する霊夢の元への帰路にあった。 もっとも、敵が全て女性だったことが、幸いしたのかもしれないが。 博麗神社へ帰ると、霊夢は掃除をしていた。 今日はいつもより時間が早いので、 おそらく彼女は、この時間に俺が帰っているとは思いもしまい。 そう考えると、悪戯心がむくむくと湧いてきた。 抜き足、差し足、忍び足。 クマザサの繁みを抜け、ホトトギスは踏まないように、 クマガイソウやウラシマソウの群生を掻き分けて、 ホタルブクロを跨ぎ、霊夢の後ろ側に出る。 ここまで来れば、もう一息。 だったのだが――。 「うっ」 後一歩、のところで、 振り返った霊夢に、おでこをこつん、と、 やられてしまった。 「なんで、わかった?」 「……ばかね。 他の人ならいざ知らず、私があなたの気配を感じ取れないはずがないでしょう?」 霊夢ははにかみながらそう言った。 実は、ちょっと自分の台詞に照れてるのかもしれない。 そして、俺に箒を渡してくる。 「これは?」 「箒よ。見ればわかるでしょう? 2人でやれば、その分2人の時間が持てるもの。 いいじゃない。夏なんだから、落ち葉なんてほとんどないから楽よ」 「わかったわかった」 箒を取ると、霊夢の横で掃除を始める。 すでに、ほとんど霊夢が掃いていたので、ほどなく掃除は終わった。 「お待たせ」 そして、今。 いささか西日が傾いた縁側で、 霊夢と一緒に、2人きりのお茶会。 綺麗になった庭を前に、二人並んで、 霊夢が俺の右に座る。 俺は、その霊夢の腰に手を回し、ゆっくりと引き寄せる。 霊夢は、抵抗せずに引き寄せられると、 そのまま、俺の胸へと頭を預けた。 ……ん? 「なあ、霊夢」 「なに?」 お茶を一口。 最近は暑いから、温めのお湯で入れてくれる。 こんな心遣いが、また、嬉しい。 「シャンプー変えたか?」 「ん、そうね。 立夏も過ぎたし、春の蓬のシャンプーから、ちょっと変えてみようと思って」 「なんのシャンプーなんだ? この、甘い匂いは」 辺りには、霊夢が俺に頭を預ける時に軽く振っただけなのに、 甘い香気が漂っている。 「ふふふ、当ててみて」 「そうだなあ。甘い匂いっていうと、沈丁花?」 「残念。違うわ。 それに沈丁花は春の野草だもの。わざわざ夏には使わないし」 「夏かぁ。朝顔はこんな感じじゃないし、向日葵も違うよなあ……」 「降参?」 「ああ、降参。さっぱり見当がつかない」 霊夢は、唇に手を当てて悪戯っぽく笑うと、 「答えはね、麝香草」 とのことだった。 曰く、香水なんかに使われる、薫り高い草らしい。 そんなことを笑いながらおしゃべりしていると、 また少し、西日がこっちを向いた。 「暑くなったな」 「さっき萃香が来たわ。 西瓜を幽香からたくさんもらったから、おすそ分けだって。 井戸に冷やしてあるから、晩ご飯の後食べましょう?」 「いいな、それ。 それにしても、萃香が西瓜とはこれ如何に」 「はいはい、バカなこと言ってないの」 そして霊夢は、 少し、身を起こして、 上目遣いにこちらを見上げる。 「今日の晩ご飯、何にする?」 「そう言えば昨日のお味噌汁、ちょっと甘かったかな」 「うふふ、愛がいっぱい入ってたから」 「どれくらい?」 「3割増。 なーんてね。本当は咲夜にもらった赤味噌使ってみたんだけど。 そっかぁ。甘かったか――」 ちょっと眉根を顰めた霊夢。 俺は、右手を霊夢の腰から離すと、 そのままその手で、彼女の長い髪を梳く。 「別に、不味かったわけじゃないさ」 「うん。それなら、安心した」 そう言って、再び俺の胸板に寄りかかる霊夢。 俺が髪をさっきから梳いているせいか、 気持ちよさそうに目を瞑っている。 話で喉が渇いた俺は、お茶を一口。 それから、お茶請けの栗まんをぱくつこうとする。 その、瞬間。 「安心したら、お腹が空いてきたわ。 お饅頭、もらうわね?」 霊夢は、不意に目を開けると、 俺の、口に銜えかけの栗まんを半分、奪い去った。 唇同士が触れ合う。 「……霊夢」 「なに?」 「……狙ってただろ」 見事に策が決まってご機嫌の霊夢。 恨みがましい声をかける。 ああ、今日は好物の兎屋の栗まんだったのに。 「だって」 「うん?」 「最近、キスもご無沙汰だったじゃない。 なんとなく、寂しくて」 俺を直視しないように横を向く霊夢。 俺からは表情は見えないが、 そんな霊夢を、ぎゅっ、と抱きしめる。 「言ってくれれば、いくらでもするのに」 「こう言うのは、雰囲気でするものよ。 デリカシーのない人ね」 耳元で囁くと、すぐに答えが返ってきた。 ご機嫌斜め。 でも、振りほどくつもりがない辺り、この体勢は気に入っているようだ。 霊夢を抱きしめたまま、穏やかな時間が流れていく。 気がつくと、すっかり日は落ち、 星々が、紫色の絵の具で空を染めていた。 「もう、晩ご飯の支度しないと」 名残惜しそうに、俺の手を解く霊夢。 そのしなやかな指で、俺の指を一本ずつ、ゆっくりと。 そんな彼女を、凄くいとおしく感じて、 「霊夢」 「なに?」 立ち上がりかけた彼女の唇を引き寄せ、 「ん……」 軽く、奪う。 「晩ご飯、期待してるから」 「ええ、楽しみに待っていて」 霊夢はそう言うと、ちょこっと腕まくりをする仕草をして、 座敷の向こう、台所へと消えていった。 麝香草の甘い残り香が、仄かに漂った。 7スレ目 574 ───────────────────────────────────────────────────────────